チーズのよりやさしいご説明

今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。
チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。

ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。

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パヴェ・ダフィノア


カマンベールと同じで、チーズのまわりを白カビが覆っている「白かびタイプ」と呼ばれるチーズです。

「かび」が回りに付いているものを食べるなんて・・・と、日本人にはちょっと取っつきにくい感覚はあるのですが、この「かび」は人体には無害のものです。
この白カビをチーズのまわりにつけることによって、カビがチーズのタンパク質を分解し、おいしさに変化させていきます(これを熟成とよびます)。ですからご心配なく。

このチーズの特徴ですが、熟成が進むと最初は固さがあったチーズの中身がだんだんと柔らかく変化し、3〜4週間もするとナイフを入れると中身が流れ出すほどに柔らかくなります。
ですからチーズを切るときはなるべく表面積の小さくなるようにカットすることをオススメします(対角線でカットしない方がいいと思います)。

写真くらいに中身がトロトロになっていると、匂いも少しきつくなっています。
家畜舎のような、何日もお風呂に入っていないときの体臭・・・(食べる気をなくしますね、この言い方では)。チーズにはまるとこの匂いがしないとおいしいチーズを食べた気にならないから不思議です。
でもご心配なく、このチーズは匂いのわりには味のほうはマイルド。口に入れるとミルクの甘みと旨みが口の中一杯に広がることでしょう。

まずはチーズだけを、そして飲み込んで口の中にチーズの味が残っているうちにワインを飲んでみてください。もし、口の中が今までより甘くふんわりとした感覚になれば、それはマリアージュしているということ。ミディアムボディーの赤ワインをおすすめします。

★もっと詳しいご説明は「ゆうこのピックアップ」の「パヴェ・ダフィノア」の項をご覧ください。


ボーフォール


チーズのプリンスです。

「王子」と呼ばれるチーズはいったいどんなチーズでしょう。ニックネームから想像するとまるでこじんまりとした可愛らしいチーズのような雰囲気もありますが、このチーズはひとつが45キロ以上もある大きなチーズです。

故郷はフランスのサヴォワ地方。アルプス山脈の山深い地域で冬になると雪で閉ざされてしまうために、冬の保存食として大型のハードタイプのチーズが昔からたくさん作られていました。現在では冬はスキーリゾートもたくさんあり、また夏はアルプスの素晴らしい景色と空気を楽しむ観光客で賑わう、観光産業も盛んな地方でもあります。

雪が溶けて春になったら、牛たちを麓の村から山の上へと生えている草を食べながらだんだん登っていきます。春の若草、そして夏の高山植物は牛たちにとって栄養もあり、また香りの高い美味しいミルクを産み出します。そんなミルクから作られるのです。

特にフランスのAOC(原産地呼称統制)という法律で「殺菌をしない全乳」を使用することが義務づけられているので、この手のハードタイプのチーズの中では最もリッチな味わいに仕上がっています。

リッチなのは味だけではありません。香りも素晴らしいです。本格的なチーズの匂いといったら普通は古漬けのような、あるいはアンモニアの匂いが少し混ざったような「腐」のイメージが強いかと思いますが、このボーフォールの香りとは、果物のようなナッツのような「華」やかなメジャーなイメージなのです。

ワインと同じで冷蔵庫から出してきたばかりでは素晴らしい香りも味もまだ閉じてしまって感じることができません。30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。そしてゆっくりじっくり味わいながら奥の深い味を噛みしめてみてください。

★もっと詳しいご説明は「ゆうこのピックアップ」の「ボーフォール」の項をご覧ください。


トゥルー・ドゥ・クリュ


ふつうウオッシュタイプのチーズって200g位の大きなものばかりですが、このチーズはちょっと試したい人にもぴったりのプチサイズです。

しかも、このチーズはあの「エポワス」(注:チーズの王様とも称せられるブルゴーニュ地方の超有名ウオッシュタイプのチーズ)を製造するチーズメーカーが作っているのです。サイズや熟成の工程が多少違っているので「エポワス」と言う名前は名乗れないのです。

チーズを熟成させるときに塩水などで洗い、まわりにリネンス菌という細菌を繁殖させることにより、薄オレンジ色でベタベタとした湿っぽさがチーズの表面を覆います。このベタベタはあの納豆菌と通じるものがあります。納豆菌と同様に、リネンス菌がチーズのタンパク質を美味しい成分に変化させているのです。

匂いもかなり個性的で、お漬物のようなひねた香りが特徴です。はっきり言って「臭い」匂い。でも匂いのわりには味は優しいので、匂いで「うっ」っと来たら鼻をつまんで食べてみてください。芳醇なミルクのコクが口中に広がるでしょう。

そのうち、この匂いがクセになってきて匂いをかがないとチーズが食べた気にならいほど虜になることでしょう。

赤ワインならあまり軽くてフルーティーなものはワインの良さを殺してしまいます。どうぞタンニン(渋み)が十分にあるボティーのしっかりとしたワインと一緒に召し上がってください。


フルムダンベール


青カビタイプのチーズ(通称、ブルーチーズ)とはチーズの中に青カビを故意に入れて、その青カビによってチーズのタンパク質を旨み成分に分解し、おいしくなるチーズです。

しかしながら、青カビチーズは「臭い」「しょっぱい」「きもちわる」とかなり嫌われ者になっています。「ナチュラルチーズは好き。 ブルーチーズを除いてはね・・」という声もかなりよく聞こえてきます。やはりミカンやお餅のまわりについた青カビはだれも喜んで食べたりしないから、どうしても避けたくなってしまうのでしょうね。
もちろん、この青カビも無害です。薬にあるペニシリンも青カビから作っているように、カビがすべて悪者ってわけではないのです。

日本食で身近に味の似たタイプの食品がないので、初めて食べるとビックリするかもしれません。
青カビタイプのチーズは「ピリっと舌を刺すような刺激」といわれる独特の味わいがあります。しかしながら毒を食べて舌がピリピリ、ビリビリと痺れる感覚とは全く違います(毒を食べたことはないけれど・・・)。

慣れないと薬品とか異物を食べているようなおっかなびっくりの感じで口の中がいっぱいになってしまうかもしれませんが、この味や風味に慣れてくると不思議とだんだん青カビがより多く入っていてもっともっと匂いも刺激も強いものを・・・と求めてしまうから、ブルーチーズというものは不思議なものです。
すんなりとブルーチーズとお友達になれた人はいいのですが、最初にクセの強いものを食べるとやはり拒否反応が出てしまう可能性がありますので、まずはこのフルムダンベールから試してみては如何でしょうか。

このフルムダンベールはとっても食べやすいブルーチーズではあるのですが、チーズ通にも十分においしく食べられて、赤ワインをとてもおいしくする力を持っています。
タンニン(渋み)の強い赤ワインを飲んでいるときにこのフルムダンベールを合わせてみてください。
渋みが薄れて、チーズのミルクの甘みがタンニンによって引き立ち、チーズもワインもとてもおいしく感じることができます。

★もっと詳しいご説明は「ゆうこのピックアップ」の「フルムダンベール」の項をご覧ください。


今月のワイン


1998 シャトー・ポンタック・ランシュ・キュヴェ・カンテサンス
1998 Chateau Pontac-Lynch "Cuvee Quintessence"

生産地:フランス,ボルドー地方メドック地区マルゴーAOC
生産者:ジャン・ミッシェル・アルコート
品 種:カベルネ・ソーヴィニョン80%,メルロー15%,プティ・ヴェルドー5%
価 格:3,600円(税別)

生産者「ジャン・ミシェル・アルコート」という名前を見てピンときた方も多いと思います。ポムロルのシャトー・クリネを同地区のトップシャトーに押し上げたその人なのです(かつて評論家のロバート・パーカーは1989年産のクリネに100点をつけました)。
そんなアルコートが1998年から醸造管理しているのがこのシャトーなのです。特にこのキュヴェ・カンテサンスはマルゴー村の「シャトー・マルゴー」!と「シャトー・パルメ」!にはさまれた最良の区画より造られたまさにマルゴー村のスターなのです。
ぜひこの機会にボルドーの真髄(=カンテサンス)をお試しあれ!

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲まれる1時間ぐらい前に抜栓をお願いします。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。翌日飲む前に室温にならして(30分ぐらい前より食卓に立てておく)お楽しみください。




NV ヴィルマール・グラン・レゼルヴ・ブリュット
NV Vilmart Grande Reserve Brut

生産地:フランス,シャンパーニュ地方シャンパーニュAOC
生産者:ヴィルマール社
品 種:ピノ・ノワール80%,シャルドネ20%
価 格:4,500円→3,600円(税別)

昨年の「バルノー」と同様にいわゆるレコルタン・マニピュラン(自社畑原料ぶどう100%使用)のシャンパン。すなわち「ドメーヌ物のシャンパーニュ」です。
私が今までに飲んだ6,000円までのシャンパーニュの中で最高に素晴らしいもののひとつです。とにかくその美しい酸に支えられた果実味の繊細さは「シャンパーニュの白眉」と言っても過言ではないでしょう。

そんな「ヴィルマール」を1年間のご愛顧に感謝しまして,昨年に引き続き『ゆうこチーズクラブ』のメンバーの方々のために,通常価格4,500円のところを3,600円にてご提供させていただきます。
このチャンスをお見逃しなく!

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

もちろん飲み頃です。開けて即おいしいです。
このシャンパンは冷蔵庫でキンキンに冷やしてもいいですし,チョット冷たいかな程度(約10〜12℃)で飲んでいただいてもOKです。
1日で飲みきれない場合は,冷蔵庫にて適当なコルクで栓をして保管してください。泡の勢いは弱くなりますが,白ワインとしても結構いけます。


1998 ジュヴレイ・シャンベルタン・ラ・ジュスティス バレル・セレクション(アルロー)
1998 Gevrey Chambertin "La Justice" Barrel Selection domaine Arlaud Pere et Fils

生産地:フランス,ブルゴーニュ地方ジュヴレイ・シャンベルタン村、単一畑「ジュスティス」ジュヴレイ・シャンベルタンAOC
生産者:アルロー社
品 種:ピノ・ノワール100%
価 格:4,500円→3,600円(税別)

「ジュスティス(=正義)」という名前の畑からのワインです。
今年の8月度のワインでもご紹介したアルロー社所有のジュヴレイ・シャンベルタン村の単一畑からのバレル・セレクションです。
皆さんはブルゴーニュ地方の1998ヴィンテージはイマイチと思っていませんか? このワインに限ってはその心配には及びません。華やかなベリー系の香りにしっとりと落着いた味わいが調和した「ブルゴーニュらしさ」が存分に堪能できる1本となっています。

これもまた「ヴィルマール」と同様4,500円を特別価格の3,600円でご提供させていただきます!
ぜひご利用くださいませ! ぜったい後悔させません!

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

もちろん飲み頃です。ですができれば飲まれる30分程度前に抜栓してください。
室温が25℃以上であれば,30分程度冷蔵庫の野菜室で冷やしてから抜栓してください。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。翌日飲む前に室温にならして(30分ぐらい前より食卓に立てておく)お楽しみください。

※ブルゴーニュ・ワインはたいへんデリケートです。ワインセラーが無い場合は冷蔵庫の野菜室で保管してください。





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