産地 | フランス、ローヌ・アルプ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 6B×6B、高さ4B、重さ150gの四角形。 |
タイプ | 白カビタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | 形が石畳(フランス語でパヴェ)のような所から名前が付けられた、新しい工場製のチーズ。チーズの製造元のアフィノワ社の社長さんが開発した「スーパーフィルター」という技術を用いることによって、ミルクの栄養分をほとんど余すことなくチーズに取り入れられるため、カルシウム含有率が通常のチーズの約3倍も高くなっている。 熟成の若いうちは中央に芯があり形もしっかりしているが、完熟すると表皮によってようやく形を保っているというくらい中身がトロトロになる。 |
食べた感想 | フランスにはAOC(原産地統制呼称)という法律があるので昔ながらの伝統的な製法で作られるというチーズが30数種ほどありますが、最近では農家で作るチーズは減り、一年中一定の品質と生産数を安定させ作る工場製のチーズが増えてきているということです。チーズも本来は農産物。でも限られた地域だけでの消費でなく、現在はフランス国中、そしてアメリカや日本など距離の遠い海外にも輸入をしているという現状に合わせて、このような工場製の大量生産品が増えるというのは当然の成り行きなのでしょう。 常々、美味しいチーズとは農家製の手作り、そして無殺菌乳を使用している物に限ると思いこんでいた私は、このパヴェ・ダフィノアを店頭で見かけてもしばらくは目もくれませんでした。立方形に近い整った形、プラスティックのすのこ、可愛いエチケット、「ごく最近できた新しいチーズです!」とその姿カタチが物語っています。 食べてみておどろいたことに乳脂肪分が45%なのに非常にまったりとしていてコクがありました。ナイフを入れると中身がとろけだし流れるほどなのですが(写真参照)、完熟したチーズのちょっと腐ったような臭い匂いは強くなく、味は十分熟成した完璧な味わいを楽しむことができました。お店の人に聞いたところ、熟成していないものはわりあいあっさりとした味で塩分も強くないので非常に食べやすいとか。 ウオッシュタイプの中には熟成をするとチーズの身が流れ出すほどトロトロになるものがありますが、白カビタイプでこれほどまでに柔らかくなるものを私は知りません。それもトロトロに美味しく熟成させるにはかなり保管状態を良くしないとうまくいきませんが、パヴェ・ダフィノアは比較的容易に柔らかく、しかも美味しく熟成します。手軽です。このチーズの製造過程に企業秘密があり(前記の「スーパーフィルター」)、カルシウム含有率が高いという栄養面で優れている点以外にも、どうやらこの不思議な熟成にも一枚かんでいるのではないかとにらんでいます。 無殺菌乳製ならでは、農家製ならではのより深い味わいはないものの、工場製の良さである一定の品質が保持されているところや、気軽にトロトロ熟成を楽しめる(赤ワインにはピッタリ!)、そしてチーズの大きさがちょうど良く食べ切れるということ、値段もまぁこれなら・・という価格で最近ちょっと愛し始めています。 |
合うワイン | 熟成していないうちはチーズの味が淡白なので軽い赤ワインがいいでしょう。写真のように流れるほどに熟成するとややボディーのしっかりとした赤ワイン、そしてコクのある辛口の白ワインが合うでしょう。 |
合うパン | バゲット、クラッカー、パン・ド・カンパーニュ。 |