産地 | フランス、サヴォワ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 48% |
形状 | 直径35〜75cm、高さ11〜16cm、重さ20〜70kg |
タイプ | ハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | スイスやイタリアの国境付近のアルプスの標高の高い山地で作られるひとつが40kgもある大型のチーズ。「ボーフォール」という名前はこのサヴォワ地方の村の名前からきている。冬になると雪深いこの地方ではチーズやハム、ソーセージなどの保存食品の生産が盛ん。 牛は夏の間自然に生えているアルプスの色とりどりの高山植物を食べさせるために放牧をするが(それをアルパージュと呼ぶ)、その時期に出す牛乳は栄養価も当然高く美味しい。その時期の牛乳から作られるチーズを「エテ(夏という意味)」と呼び、それ以外に作られるチーズと区別している。それ以外の時期は干し草を食べてミルクを出す。 チーズの外皮は熟成期間中に定期的に直接塩をすりこみ布でこする作業によって赤茶色い固い皮ができる。チーズの中は濃いアイボリー色でやや固いがポロポロとは崩れないしっとりとした身だ。 夏のボーフォール(エテ)とそれ以外のボーフォールを比べると、色も香りも味もすべてにおいて「エテ」のほうが濃くて芳醇である。 |
食べた感想 | ハードタイプのチーズは何となく地味ではありますが、美味しさがギュウっと詰まっている感じがします。私もいろいろなチーズを食べてきましたが、「好きなチーズは?」ときかれると、ハードタイプのものを挙げることが多いように思います。 ハードタイプのものは長期熟成タイプが多くて、ずいぶんと熟成したものになるとアミノ酸の結晶をかじっているような、旨味のかたまりになります。 ボーフォールには今年はいろんな所で出会い、その故郷のサヴォワの山にまで訪ねていきました。その模様を詳しく書いていますので興味のある方はこちらをご覧下さい。 同じボーフォールでも、エテとそれ以外のチーズとでは格段に味に差があります。ナッツのような香りがしてミルクの芳醇さや苦味、コクが十分にあるのはエテです。野性の高山植物(ピンクや黄色、紫などの小花をつけた草花。この草花の蜜から作る蜂蜜もとてもストロングだと現地のお土産ものやさんは言っていました。)を十分に食べて運動しているに牛と、干し草ばかり食べてじっと牛舎にいる牛が出すミルクには違いがあって当然ですが、牛の食べているものがこれほどまでにダイレクトにチーズにでてくるとは驚きでした。 この春、ラッキーにも約1年半から2年も熟成したエテをいただく機会がありました。身がかなりしっかりと締っていて通常よりも固い感じでした。そして色もタマゴ色に近いアイボリーでかじると「ジャリジャリ」と歯ごたえが!よくパルメジャーノ・レジャーノがこのような「ジャリジャリ感」を感じることが出来ますが、それ以外のチーズでの体験は初めてでした。あまりにも味が濃いのでプロセスチーズのようにほうばるように食べることは不可能。少しずつをチビチビとそしてじっくりと味わわないともったいない。口の中でチーズの旨みを感じているともうそれだけで満ち足りた気持ちに浸っていられました。 |
合うワイン | フルーティーな赤ワイン。最近、ボージョレーのムーラン・ア・ヴァンと合わせたら良くあってワインもチーズも、より甘くて美味しく感じました。ブルゴーニュのボーヌのあたりの赤ワインもよく合うと思います。 |
合うパン | クルミの入ったパン。カンパーニュなどを。 |