フルム・ダンベール
Fourme d'Ambert
産地フランス、オーヴェルニュ地方
原料牛乳
乳脂肪分50%
形状直径約13cm、高さ19cm、重さ1.5〜2kg。
タイプ青カビタイプ
季節1年中
プロフィールオーヴェルニュ地方の気候の厳しい山岳地帯で、シーザーが活躍した時代より古くから存在していたとされている。名前の「フルム(fourme)」はラテン語の「フォルマ(Forma)=‘型’という意」から来ていて、「アンベール(ambert)」は原産地のアンベール町から来ている。このラテン語の「Forma(フォルマ)」はフランス語でチーズを意味する「Fromage(フロマージュ)」の語源となっている。要はフルム・ダンベールはアンベールのチーズということ。
青カビチーズのカビは薬のペニシリンを作るカビの仲間を使用しているが、白カビチーズタイプの様にチーズの形を作ってからカビを植えつけるのではなく、ミルクの段階から混ぜ込む。
形が背が高い円筒形というのがこのチーズの特色。(ふつうはもっと安定感のある円筒形が多い)外皮は白や赤味のかかったカビで被われていて乾いている。(日本で出回っているものは少し湿っぽいそうだ)中身は緑色のカビがパセリ状に散らばり、チーズの身はしっとりと滑らかで あまりポロポロしていない。
今世紀初頭までは農家で主に作られていたが、今現在では完全な農家製はなくすべて工場製になっているとのこと。

食べた感想よく「ブルーチーズを食べてみたいのだが何が美味しいか」と聞かれます。人それぞれの好みもあるので難しいところですが、見た目もグロテスクでピリッと舌に刺激もあるブルーチーズの醍醐味というのは、やはりチーズの部分(青カビを取り除いた乳白色の部分)のクリーミーさや豊潤さにかかっていると思います。
フルムダンベールはロックフォールなどに比べるとマイルドな感じですが、最近よくみかける白カビタイプと青カビチーズの掛け合わせのようなチーズほど曖昧なブルーチーズではなく、ピリッとした辛味も青カビの苦み(青カビが苦みを出すのかどうかはわからないのですが、ブルーチーズには独特の苦味があると思います)もほどよく効いていて、その辛味と苦みがミルクの甘みにうまくのっかっている、大変バランスのいいチーズだと思います。
初めてブルーチーズを食べてみようとお店に行き、よくわからないから一番安いものを買って食べてみたらロウソクのような味がして美味しくなかったということを聞きます。まだブルーチーズはそれほど食べなれていないという人は、白カビタイプとの掛け合わせチーズで慣らしてから、次はセミハードタイプのかけあわせのようなブルーチーズ、そしてフルムダンベール、ロックフォールと徐々にハードなものに挑戦していかれたらいいかもしれません。
今回食べたフルム・ダンベールは味もえぐみがなく塩っ辛すぎず、チーズの身も滑らかでなかなか上品な味わいでした。薄く切ったライ麦パンにバターのように薄く塗って赤ワインと共にいただけば、晩ご飯はこれで十分!!という感じです。(そんなのは私だけ?!)
合うワインボルドーの赤ワイン。ポイヤックのワイン(どれも高級で手が出ないが、たとえばレフォール・ド・ラトゥールなど)と合わせるとおいしそう。あとコート・デュ・ローヌ(赤)など少しスパイシーなワインでも。
合うパンライ麦の入ったパン。カンパーニュ。


一番シンプルな楽しみ方、黒パンのスライスに塗りつけて。

 


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