産地 | イギリス、ヨーク州 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 48%以上 |
形状 | 重さ4〜5kgの円筒形 |
タイプ | セミハードタイプ(青カビタイプも) |
季節 | 1年中 |
プロフィール | イギリスはイングランドの北東部のヨーク州のウエンズリーデイルというところで、11世紀にフランスから渡ってきたシトー派の宣教師たちによってロックフォールの作り方をもたらされたのがこのチーズの起源。もとは羊の乳で作り青カビタイプのチーズだったとか。16世紀にヘンリー8世によって宗教弾圧を受け修道院から逃れた僧たちが農民にこのチーズの作り方を伝授した。その時には羊乳製でなく牛乳製のブルーチーズになっていたらしい。 現在では青カビの入らない白いセミハードタイプのチーズを「ウエンズリーデイル」(写真奥)と呼び、青カビの入ったタイプは「ブルー・ウエンズリーデイル」(写真手前)と呼んでいる。 熟成期間が1カ月とセミハードタイプとしては短い方で、さわやかな酸味が感じられる一方でミルクのほのかな風味もあるクセのあまりない食べやすいチーズ。チーズの色は白に近い淡いアイボリー色で、チーズの身の感じはイギリスの代表的なチーズである「チェダー」とよく似ていて、目は詰まっているがもろく、ナイフを入れるとささくれのような切った跡がつく。 |
食べた感想 | イギリスのチーズといえばスティルトン、チェダーなどが大変有名ですが、他にもイギリスの地方の名のついたチーズがたくさんあることを知りました。
しかしなぜか日本ではなかなかお目にかかることがなく、このウエンズリーデイルも去年存在を知ってから食べてみたいと思っていましたがなかなか手に入れることができないでいました。 今回手に入れて食べた物はイギリスから帰国した知り合いにお願いしてもって帰ってきてもらったものなのですが、最近では東京のチーズショップフェルミエででも売っているようです。 このチーズを持って帰ってきてもらうにあたってロンドンのスーパーなどを探しに回ってもらったのですが、なんと普通のスーパーではカマンベールやゴーダなど万国有名チーズは置いていてもイギリス産のチーズはチェダーやスティルトンなどが関の山で、どこを探してもウエンズリーデイルは売っていなかったとか。このような地方の特産チーズはハロッズなどの有名百貨店や高級食料品店、チーズ専門店などでしか売っていないそうです。 本国でもマイナーなイギリスの地方特産チーズ、日本で名が知れる日が来るのでしょうか。(そう考えるとフランスのチーズの知名度は非常に高い!!) さてこのチーズを初めて食べてみた感想です。 ブルーが入っていない方は熟成期間が短めということもあって、チーズの色がかなり白に近いアイボリー色というのが印象的です。味がさっぱりとしていてシェーブルチーズ程ではありませんが酸味が感じられるのには驚きました。熟成感があまり感じられないので私にとっては少し物足りないかな…と思ってしまう味でした。が、このフレッシュさやほのかに感じるミルクの甘さのバランスを楽しみながら味わうとそれなりに面白かったです。 ブルーの入っている方は多分(ほんとに推測)熟成期間が多少は長いように思いました。写真でもわかるように青カビの入り具合はほんの申し訳程度なのですが、チーズの身自体がカビ無しのものよりもしっとりとしてコクも増していたように感じました。もともと作り方も原料となる乳も違っているのかもしれませんが、同じ「ウエンズリーデイル」の仲間なのかしら?と思うほどでした。スティルトンのカビの少ない感じ、といったところでしょうか。こちらは断然赤ワインのお供にしたいと思うようなチーズでした。 |
合うワイン | カビの入っていないウエンズリーデイルにはキリッと冷やしたロワールの白ワイン。(プイィ・フュメなど)それからスパークリングワインなどにも。(もちろん冷やして) ブルーウエンズリーデイルにはボディーのしっかりとした赤ワインと。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ、クラッカー |