産地 | スイス、ジュラ・ブルノワ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 51% |
形状 | 直径8〜20cm、高さ約15〜20cm、重さ600〜900g |
タイプ | セミハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | フランスに隣接するジュラ地方(フランス側はフランシュ・コンテ地方)で作られているチーズ。 「修道士の頭」(テットは頭、モワンヌは修道士の意)という意味の名前にある。ベルレー修道院で15世紀に作ったからこの名前がついたという。また別の説では修道院の領地を近隣の農民に小作させ、修道院の僧の数だけのチーズを上がりとして納めさせたため、というものもある。いずれにしてもこのベルレーの修道院に由来はしているようだ。(別名をベルレーという) チーズをジロールという専用の削り器で花びらのように薄く削りながら食べる。夏に搾乳したミルクで作り、3〜6ヶ月ほど熟成させるので食べ頃は冬から。香りが強く、濃厚な味わいで古漬けのような風味も感じられる。 |
食べた感想 | スイスのチーズといえばグリュイエールやエメンタール、ラクレットなどがよく知られていますが、その他にもいろいろとあるようです。テット・ド・モワンヌも知られざるスイスのチーズといった感じなのでしょうか。 あまり一般的なチーズではないですが、専用の削り器(ジロール)で薄く花びらのように削って食べるチーズということで、一度見たり食べたりしたらきっと忘れられないチーズです。 セミハードタイプのチーズだから印象が薄いのかと思いきや、外皮は固いのですが少しベタベタネバネバしていて匂いもウオッシュタイプかしら・・・と思うくらい個性的な匂いがします。濃厚な匂いと味は古漬けのようです。ウオッシュタイプでもないのに古漬けのような風味が楽しめるなんて・・・。味のほうもピリッと舌を刺すような刺激を感じました。青カビタイプのチーズでもないのに舌を刺すような刺激があるなんて、道理で薄く削ってちょっとずつ食べるわけです。なんて個性的なチーズでしょう! しかし実際に家にチーズを買って帰ってナイフなどで切って食べると、ジロールで薄く削って食べるときよりも味が強すぎてしまいます。ひらひらの花びら状に削られたチーズは見た目も美しいだけでなく、ブロック状のものを食べたときに比べるとうんと匂いも強烈な風味も和らぎ、やさしくなります。 でも、このチーズを食べる現地の人たちってどうやって食べているのかしら?と疑問が湧いてきます。まさかどの家庭にもジロールがあって、家はギコギコと回しながら削って食べているのでしょうか・・。そういえば一昔(いやふた昔か?)には日本のどの家庭にも鰹節を削るカンナのような道具がありましたよね。多分、スイスのご家庭にはひとつはジロールがあるのでしょう。(推測) チーズのエチケット(ラベル)にはお坊さんがジロールにセットしたチーズを削っている絵になっています。「このチーズはこうやって食べるものです」と限定というか決められているチーズも珍しいと思います。 そのせいでしょうか、あまりこのチーズは小さくカットして売られている姿は見かけません。もっぱらレストランとかワインバーでジロールにセットされて出てくるパターンが多いです。 なかなか自宅では食べる機会がないチーズですが、レストランで見かけたらここぞとばかりに注文したいものです。 |
合うワイン | ミディアムボディーの赤ワイン。もしくはコクのある白ワインを。 |
合うパン | パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)、くるみ入りのパンなど。 |
チーズのエチケット(ラベル)はお坊さんがジロールで削っている図。