ラクレット
Raclette
産地スイス、主にヴァレ州(スイス全土で生産)
原料牛乳
乳脂肪分45〜50%
形状直径30B、高さ7B、重さ4.8〜7.5Lの円盤型。
タイプセミハードタイプ
季節旬は冬
プロフィール「ラクレット」という言葉の意味は‘削り取る’(ラクレ)であって、もともとは暖炉や専用のオーブンでチーズを溶かして、その部分をそぎ取ってジャガイモなどに添えるチーズ料理の名前だったものが、チーズ名になった。(ハイジが山小屋で棒の先にチーズを刺して暖炉で温めて溶かしていた場面を思い出してください!)
このチーズはスイスのあちこちでそれぞれの地名の名前で呼ばれていたが、世界にこの料理が知れ渡るようになってから名前でこの料理に使うチーズを「ラクレット」というようになった。
スイスだけでなくアルプスを挟んだ反対側のフランス(主にサヴォワ地方、フランシュコンテ地方)でも作られていて、同様の食べ方で食べられている。
表皮を洗う過程があるのでウオッシュタイプのような匂いがする。しかし表皮はウオッシュタイプのそれとは違いベトベトではなく乾いている。中身は小さな気泡がところどころにあり、ややアイボリー色が濃い。身はセミハードタイプにしてはしっとりと柔らかめでミルクの甘みとナッツのような風味を感じることができる。
食べた感想あの名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」の中で、ハイジの日常の風景にチーズを作ったり食べたりするシーンがよく登場していました。スイスのそれも山小屋での暮らしなど遠い世界のことではありましたが、干し草のベットの匂いを想像してはワクワクしたり、黒パンの存在(それは固いと)を知ったり、私たちが日常食べているチーズとハイジが食べているチーズはカタチが違うと思ったり、あのアニメを通して自分の頭と心の中でイメージを膨らませていました。
そしてチーズをいろいろと知った今、実際にアルプスを訪ねてみてハイジが山小屋でお鍋をかき混ぜながら作っていたチーズはきっとトムだろうとか、山小屋で棒の先にチーズを刺して暖炉で温めて溶かしていたチーズはラクレットだろうとかいうことがおおよそ想像がつき、幼き頃に思い描いていた架空の世界と現実がリンクしたのでした。
ラクレットといえばスイスだけのものだと思っていましたが、この度は同時にフランスのものも買うことができ食べ比べてみました。山脈を挟んで西と東、住んでいる人や牛、食べている草や気候も似たようなものですから同じようなチーズが存在するのは当たり前ですが、微妙に味などは違っているということです。
私が今回食べた感じではスイスのもののほうが味がややあさっりしていてチーズの色も白っぽく、フランスのもののほうがチーズの身が引き締まり黄色みが強く匂いや味ともに濃く感じました。しかし物の本によるとチーズの性質は今回の感じの逆で、フランスのもののほうがややクセが少ないと書いてあります。きっとたまたま熟成期間が長く、状態がとっても良いフランスのラクレットが手に入ったのでしょう。(本当にチーズも一期一会です)
耐熱容器にチーズを入れてオーブントースターで溶かし、黒胡椒をふって茹でたジャガイモに添えて食べると、本場のラクレットのように食べることができるようです。(まだ試してみていない) チーズ料理店などではラクレットオーブンという専用のチーズを溶かす機械を使ってラクレット(料理)を食べさせてくれるところもあります。熱を加えることによってそのままで食べるよりもうんと風味も増すし、食べやすくなります。これからの季節とてもおいしいのではないでしょうか。
合うワイン白ワインならばドライな白ワイン。なかなかないけれどサヴォワ地方とかスイスの白ワイン。それかあまり上等でないボルドーの辛口白ワイン、ブルゴーニュのシャルドネ種のワインなど。赤ワインならフルーティーでミディアムボディーのワインを。ボージョレ、ACブルゴーニュ、2500円くらいのキャンティなどなど。
合うパンバゲット、パン・ド・カンパーニュ、クルミが入ったパン。


こちらはフランス(サヴォワ産)のラクレット

 




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