産地 | イタリア、ロンバルディア州 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 48%以上 |
形状 | 一辺が約22cm、高さ5cmの四角形 |
タイプ | ウオッシュタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | イタリアチーズのウオッシュタイプの中では最も有名なチーズ。(もっともイタリアではウオッシュタイプというような分類はしていないようだが。) 北イタリアのロンバルディア州(州都はミラノ)の北部のタレッジョ渓谷で第一次世界大戦後作られていたため、この名前がついたとか。チーズ自体の歴史は古く11世紀頃から山のチーズとして作られていた。 一般的に出回っているものは同じロンバルディア州でも山間部でなく、ポー河流域の平野部で作られた工場製のものだが、今でもアルプスの山麓で夏は放牧し、昔ながらの製法で無殺菌乳を使って作っているチーズの味はまた格別とされている。熟成法でも山の斜面を削ったような洞窟で自然の風を利用して熟成させたものが特に美味しいらしい。塩水で余分についた青カビなどを洗い流しながら40〜60日間ほど熟成させる。 表面は赤みを帯びた赤茶色をしており、ウオッシュ特有のベタつきがややある。中身は柔らかく、むっちりねっとりとしていて、匂いもフランスのウオッシュタイプに比べると穏やかで、芳しい香りがある。味はマイルドで刺激の少ない甘めの味。熟成をしっかりとさせると味も匂いもきつくなる。 |
食べた感想 | 普段チーズを分類するのに当たり前のように「白カビタイプ」「ウオッシュタイプ」「青カビタイプ」などと使っていますが、このタイプ分けはイタリアチーズではあまりしないようです。イタリアでは「テーブルチーズ」「料理用チーズ」「パスタ・フィラータ」…といったような分類法があるようで、従ってこのタレッジョも「ウオッシュタイプ」ではなく「テーブルチーズ」と分類されるそうです。 イタリアチーズで他にテーブルチーズといえば‘ゴルゴンゾーラ’や‘フォンティーナ’などが代表的ですが、これらのチーズももちろん料理にも使われますし、そのままカットしてワインと共に食べることもします。 そういえば‘タレッジョ’のチーズの身の感じは‘ゴルゴンゾーラ・ドルチェ’の感じに非常に似ています。(青カビが入っていないだけ、といった感じ。)「ラルース・チーズ図鑑」によるとタレッジョは‘ストラッキーノ種’(どうやらイタリアでの軟らかいチーズの総称らしい)に属するということ。ゴルゴンゾーラも正式名称が‘ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ’というから、やはり非常に近いタイプではあるみたいです。 さてこの‘タレッジョ’を食べてみた感想ですが、予備知識で「ウオッシュタイプ」ということがなければ全くわからない、とてもマイルドでミルキーなチーズでした。常温に置いていても流れ出るようなことはありませんが、とても柔らかくなりミルクの甘さもより強く感じられました。 私がイタリアのチーズを食べるときにいつも感じることなんですが、なんか麦藁っぽいような風味と香りを感じます。田舎っぽいというか、なんというか…。その風味を表すのにちょっと適当な言葉が見つからないのですが、いつもタレッジョでは特に強く感じます。イタリアの国の匂いなのかしら?乳を出している牛の匂い?どんな乳牛種なのかそれも興味があります。 タレッジョをリゾットなんかに入れたり厚焼きのオムレツに入れても美味しいそうです。存在感の強いチーズではないので、朝食にトースとしたパンに薄くペーストしてもよさそうです。 イタリアのそれもタレッジョ渓谷付近でしかなかなか手に入れることができないという、無殺菌乳製のタレッジョは、匂いも味もしっかりとしていて風格があって大変おいしいということです。いつかそのチーズを食べてみたいものです。 |
合うワイン |
一番わかりやすいのはイタリアの赤ワイン、それもあまりボディーのしっかりしていないミディアムくらいのものが良いでしょう。例えばキャンティーとかバルベーラ種のワイン。 もちろんイタリア産以外のワインでミディアムボディの赤ワインと。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ。 |