産地 | フランス、ローヌ・アルプ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径30B、高さ8〜9B、重さ5〜6Lの円盤型。 |
タイプ | 青カビタイプ |
季節 | 旬は夏〜秋 |
プロフィール | 正式名称を「ブルー・ド・ベルコール・サスナージュ」と言う。ローヌ・アルプ地方でもアルプス山脈のサヴォワ地方ではなくローヌ河の近くのドーフィネ地方にある「ベルコール山塊」というところが故郷。この地方は周囲を山に囲まれた平原で冬は雪深くなる。そのため夏場には自生の草を食べた牛の乳でチーズを作り、また冬場も夏に刈り取って作った良質な干し草で乳を取る。
13世紀頃、この土地の領主‘サスナージュ男爵’への納税品として農民が納めていた。(もともとは修道僧が作り始めた。)1945年には戦争などの影響でチーズ作りのフェルミエ(農家)は全滅したが、工場が近年できてきた。そして1990年代に入ってまた新たに3軒のフェルミエがチーズを作るようになり、4年越しで申請したAOC(原産地統制呼称)を1998年に取得した。 チーズの外側はやや乾燥して白っぽく、所々赤茶色っぽくなっている。チーズの身もセミハードタイプのチーズに青カビが入ったようで、ジュクジュクとした感じはない。 |
食べた感想 | 一昨年の6月にフランスチーズを巡る旅に出かけたときに、ブルー・ド・サスナージュの故郷にも立ち寄りました。今でこそAOCを獲得して日本にも輸入されるようになりましたが、当時は聞いたことも見たこともないチーズで、旅行の日程に入っていてもまるで魅力を感じていませんでした。 実際に訪ねてみても、辺りは盆地で風景も平凡な田舎といった感じで(はっきり言って地味)、アルプスの山麓のチーズ農家を訪れた時のような大パノラマと大自然に圧倒されるということもなかったでした。そして旅も6日目辺りで疲れもピークに達していたこともあり、目に入るもの、手に触れるものすべてに感動するという余裕もない時にブルー・ド・サスナージュを作っている農家を訪ねたことを思い出します。 しかしチーズの歴史や現在の生産状況などを聞くに連れ(上記のプロフィールの内容)、当時足かけ4年ものあいだAOCの申請を毎年出して、認可寸前であるということを聞き(認定されるのは至難の業らしい)、急に愛着が湧きました。そしてなにより知られざる伝統のブルーチーズを、はるばるこの地を訪れた我々だけが知っている、という優越感でいっぱいでした。 訪ねた翌年にはめでたくAOCの認可がおり、今では知名度もグンとあがりましたし、こうして日本でも手に入れることが可能となりました。 このチーズはフランスの他のAOCを持つブルーチーズに比べたら非常に優しくて、食べやすいチーズだと思います。直径が30Bくらいあるブルーチーズとしてはやや大きめの円盤形で、大きさといい形といい、硬さといいセミハードタイプのチーズのようです。きっと冬には雪で交通の便が遮断される土地柄、保存のきくチーズの生産が伝統的にされていたのでしょう。青カビもあまり強烈に舌を刺すような刺激を感じず、チーズのミルクの部分も甘くて豊かな味が楽しめます。青カビタイプのチーズはレーズンなどのドライフルーツとの相性が抜群と言われていますが、このチーズはクルミとの相性も非常にいいです。 |
合うワイン | 赤ワイン。優しいブルーチーズといってもライトボディーの赤ワインではちょっと役不足。せめてミディアムボディー、コート・デュ・ローヌとかACブルゴーニュを。そしてフルボディーのワインならば産地の近いローヌのクローズ・エルミタージュあたりを。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ、クルミとレーズンが入ったパン。 |