もうすぐAOC!! ブルー・ド・ベルコール・サスナージュ


今現在フランスのAOCチーズは33種類。

「AOC」とは日本語で訳すなら「原産地呼称統制」、一口でいうなら「そのチーズの原料、製法、そして産出地域などを細かく規制し、そのチーズのオリジナリティーと品質を保証するもの」ということ。(注:AOCはチーズだけではなくワインや他いくつかの農産物にも適応されています。)

日本でも「関さば」「関あじ」など同じ鯖や鯵でも取れる地方で価値が違ってきたりします。
ただ日本には食品をそのような規定や保証を国が統制する制度がないので、ニセの「関さば」「関あじ」が出回る可能性があります。

フランスの「AOC」を持つチーズはそれだけで名誉なことなので、この33種に続けといろんな地方のいろんなチーズが認可をもらうために申請中です。
有名なところでは「トム・ド・サヴォワ」、そしてこの「ブルー・ド・サスナージュ」も4年前に申請し、認可されるのにもう一息というところだそうです。

実は私も今回の旅行でこのチーズ農家を訪ねるまで、このチーズのことをなにも知りませんでした。日本ではほとんど見かけませんし、フランス国内でもメジャーなチーズではないようです。 そのようなチーズでも歴史があって伝統的な製法に乗っ取って作っていたり、原料となる乳牛の種類、作られる地域が限られていれば十分認可される可能性があるそうです。

ではこの「ブルー・ド・サスナージュ」のプロフィールをお話しましょう。

AOCに申請している正しい名称は「ブルー・ド・ベルコール・サスナージュ」。「サスナージュ」というのも「ベルコール」というのも土地の名前で、チーズを実際に作っているのは「ベルコール村」で「サスナージュ」というのは近くの町の名前です。この地方、周囲を山に囲まれた平原で冬は雪深く下界から閉ざされてしまうので、夏の間はもちろん、冬にも夏の間に刈り取った質の良い干し草を餌にした牛の乳でチーズを作ってきました。
チーズの歴史は古く13世紀頃、この土地の領主‘サスナージュ男爵’への納税品として農民が納めていました。(もともとは修道僧が作り始めたものだそうです。)1945年には戦争などの影響でチーズ作りのフェルミエ(農家)は全滅しましたが、工場が最近できたそうです。そしてAOCの申請と同時ぐらいからまた新たに3軒のフェルミエがチーズを作るようになっています。
私が訪ねた農家もチーズを作っていらっしゃるご主人と奥さんはまだ若く、ちゃんと見学者用にPRビデオ、お土産品なども用意されていて、昔ながらの農家とは一味違って時流に乗っているなと感じました。

初めてお目にかかる「ブルー・ド・サスナージュ」は直径が30cm、高さが9cmくらいで表面は白っぽいような黄色っぽいような色をしていてそんなに固くありません。チーズの中も青カビがびっしり、じっとり…という具合には入っていなくて、セミハードチーズに青カビが入っているといった感じのきわめてマイルドなタイプです。チーズとクリームとクルミを混ぜてペースト状にしてトーストに塗ったものを試食でいただきました。よりマイルドで香ばしくなりブルーチーズが苦手という人が食べても大丈夫なオードブルになりそうです。
その後AOCに認定されたという情報は入ってきていないのですが、認定されたら日本でも入手しやすくなると嬉しいのですが…。どうでしょうね。




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