チーズの流行


近頃、日本ではワインに続きチーズも徐々にブームになりつつあるみたい…と思いませんか ?

プロセスチーズガ中心だったスーパーのチーズ売り場にも、ナチュラルチーズが並べられるようになりました。グルメ雑誌にもチーズの特集を組んだりしていますし、チーズのことを紹介した本も数多く出版されています。
フランスではナチュラルチーズは食卓に必要不可欠なのでブームも何もありませんが、チーズに詳しい人に聞くと、チーズの種類のはやりっていうものがあるそうです。

フランスには各地方ごとに昔から作られてきたチーズというものがあります。
交通の発達していなかった時代はチーズが今のように流通することもなかったので、限られた地域で食べられてきました。今ではパリやリヨン、その他の町でも各地のチーズを手に入れることができますが、基本はその土地でできたものを食べるということのようです。実際サヴォワ地方の町のマルシェ(朝市)ではサヴォワ地方のチーズがたくさん並んでいる中にカマンベールだとかロックフォールだとかよその地方のチーズがちょっと並んでいます。リヨンのマルシェでもサン=マルセラン(リヨン近郊で作られるチーズ)がたくさん並んでいました。

そんな中でも密かな‘流行り’を感じてきました。

シェーブルの本場ロワール地方で覗いたマルシェではブルビ(羊乳)のソフトタイプ(…なんていうか加熱しているセミハードタイプとも違って、作り方はシェーブルのような真っ白いタイプなんです)が流行っているのか良く目につきました。ロックフォールチーズ(ロックフォールも羊乳でしたね)でおなじみのパピヨン社も2〜3年前からこのタイプのチーズを何種類か作っているそうです。これも流行にのった商品作りなんでしょうね。

旅の最後にリヨンのチーズ商のマルチネさんにリヨンのチーズ事情などのお話を聞いたのですが、サン=マルセランはかつてあまり熟成をさせないで食べていたのですが、リヨンで15年くらい前にサン=マルセランのアフィネ(サン=マルセランを1ヵ月から1ヵ月半ほど熟成させる)を売り出してから、このアフィネしたチーズがとてもウケて、今ではフランス中に(日本にも)出回るほどになったそうです。

日本のチーズの輸入業者もフランスでの流行には敏感で、日本に居ながらにしてフランスで流行っているチーズを食べることは可能です。そして実際にいくつかの業者は積極的に日本の消費者に紹介しています。
でも悲しいかな、日本のチーズ市場がまだそこまで成熟していませんね。




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