産地 | フランス、ローヌ・アルプ地方 |
原料 | 山羊乳(最近は牛乳?) |
乳脂肪分 | 60% |
形状 | 直径8〜10B、高さ1〜1.5B、重さ約100g |
タイプ | ソフトタイプ |
季節 | 春から秋 |
プロフィール | 元々はヴァヴァレ地方で作られていた山羊乳製のチーズだったようだが、今ではサンマルセランの大型チーズ、という位置づけになっているようだ。 なので日本に入ってきているほとんどのサン=フェリシアンが牛乳製でいわゆる「リヨネーゼ」といわれるトロトロになるような柔らかい熟成をさせるものが多い。 |
食べた感想 | サンフェリシアンについてはあまり資料がなくて、サンマルセランよりひとまわり大きいチーズだ、みたいなことしか情報としてはありません。 サンマルセランも誕生当時(11世紀頃)は山羊乳製だったそうですが今はほとんどが牛乳製のように、サンフェリシアンも情報源の本によっては「シェーブルタイプ」に分類されているものもあるけれど、私が日頃食べているものはどうも牛乳製のような気がします。シェーブル独特の獣臭い感じがあまりないからです。 日本で手に入るサンフェリシアンはどれも小さなカップに入っています。今回購入したものは茶色い陶器の器に入っていました。自然にできた薄い表皮の下には柔らかいホイップ状(ムース状?)のチーズになっています。皮に近い部分はところどころとろけていてクリーム状になっているところも。見た目の熟成感は最高でした。 食べてみると見た目より風味は強くありません。固形分中乳脂肪分が60%とクリームを添加して造っている「ダブルクリーム」ということもあって、まったりとした脂肪分から来る甘みを十分に感じることができました。しかしアンモニア臭など熟成チーズ独特の動物的な匂いがほとんどなく、チーズになれていない人でも抵抗無く食べることができそうです。 私もチーズにあまり縁のないお客さんがいらっしゃったときにこのチーズを食べてもらったのですが、「ナチュラルチーズって美味しいんですね」と大好評でした。 誰からも好かれるこの手のチーズにはあまり上等なワインやフルボディのワインよりは、ラズベリーやイチゴなど赤いベリー系の風味があるミディアムボディの赤ワインや適度に樽を効かせてバニラっぽい甘い香りがついている赤ワインに合いそうなイメージです。もちろん骨格がしっかり目の白ワインでもいいですし、芳醇な日本酒にも合わせてみたいです。 そして何よりもこのチーズの一番の売りは「風味が強くないわりにはトロトロとした熟成感が気軽に楽しめて、なおかつ食べきりサイズ」という手軽でわかりやすいというところでしょう。 |
合うワイン | フルーティーなミディアムボディの赤。グルナッシュが主体のローヌ地方のリーズナブルなワインやボージョレなど。白ワインはピーチやトロピカルフルーツ系の風味が感じられるワインを。 |
合うパン | バゲットやパン・ド・カンパーニュ。クルミが入っているパンも。 |
中身がトロトロ。陶器の入れ物はなかなか雰囲気がよい。