産地 | フランス、ルエルグ地方 |
原料 | 羊乳 |
乳脂肪分 | 52%以上 |
形状 | 直径19〜20cm、高さ8.5〜10.5cm、重さ2.5〜2.9kgの円筒形 |
タイプ | 青カビタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | 青カビチーズの代表格で世界三大ブルーチーズのひとつでもあるロックフォールは、その歴史も2000年前以上、ジュリアス・シーザーの時代に以前にまでさかのぼるほど非常に古い。 故郷はフランスの中央山塊の南にある標高800〜1200mの石灰岩質の高原の中にあるコンバルウ山。その麓のロックフォール・シュール・スールゾンという小さな村(フランスにはいくつものロックフォールと名のつく村があるらしい)の地下に広がる洞窟で熟成されたチーズのみがロックフォールと名のれる。 ロックフォールの誕生には有名な秘話がある。それは… 夏の暑い日羊飼いが岩山の洞窟の中でパンとチーズでランチを取っていたときに、近くを通りかかった娘の歌声を聞きつけて食べかけのものを置いてその娘の後を追っていった。そしてそのことを忘れて約3カ月後に洞窟に戻ってみるとパンもチーズも青カビで覆われていて、チーズはとても美味しく変化していた …という話。 ロックフォールはAOCチーズに認定されているが、その規定事項にこんな項目がある。ロックフォールの原料となる羊の乳はスペイン国境近くのピレネー山麓のバスク地方からワインで有名なボルドーのあたり、そしてラングドック、コルシカ、プロバンス地方から生産されるかなり良質な乳を使用すること、そしてチーズに入れる青カビはロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟で自然に取れた青カビのみを使用することも指定されている。 何故これまでにこの地方の洞窟にこだわるかというと、何億年にもわたる雨の侵食によって山が崩れた岩の積み重ねでできた自然の洞窟には煙突のような亀裂があり、そこを通り抜ける「フルリーヌ」という湿った風が外の空気と洞窟内の空気の入れ換えを行う。そのため洞窟内はチーズの熟成に適した気温と湿度が一年中保たれる。 羊は12月頃に出産するので7月には妊娠期間に入るので12月から6月頃までしか搾乳できない。しかし熟成の技術が進んだためロックフォールは一年中食べることができる。 薄いアイボリーのチーズの身に緑色のカビがわりとダイナミックに入っている。(繊細な細かいカビでなくパセリ状に緑が鮮やか)痛んでくるとチーズが黄色がかりジュクジュクと水分が出てくる。(パック売りのロックフォールには気をつけて!!) |
食べた感想 | 「ロックフォールより手ごわい(通向きな)ブルーチーズはなんですか?」と質問されたことがあります。ブルーチーズは他にもたくさんあるけれどあらゆる面でロックフォールほど完成されたチーズはなかなかないように思います。(好みにもよりますが…) ブルーチーズは牛乳製のものが多いですがロックフォールは羊乳。その乳も非常に高品質なものしかチーズに使わないのだそうで、あのバターのようなまろやかさはその品質の証しなのかもしれません。少々塩っ辛かろうがカビのピリッとした刺激がきつかろうが、カケラを口に入れてゆっくりと舌の上でバターのようにとかして、口中でじんわりととけ出すミルクのコクを楽しんでいたいようなそんなチーズです。 そしてこのチーズ、いろいろとアレンジもきくなかなかお役だちのチーズです。グリーンサラダに5mm角で散らしても美味しいし、ラムのローストのソースとしてもなかなかの味わいを発揮します。ロックフォールのタルトとかオムレツに混ぜこんでも存在感をしっかりと感じられる一味違った一品になります。 そして何より甘口のワインとの相性はこれほど素晴らしい出会いはないといえるくらい最高のマリアージュです。ここまでわかりやすいマリアージュはないくらいです。 |
合うワイン | 甘口白ワインとのマリアージュは感動的。 赤ワインは絶対にフルボディーのものを。ボルドーでもブルゴーニュでもそしてコート・ド・ローヌやラングドックのスパイシーなワインでも何でもこいです。 |
合うパン | クルミやレーズンが入ったライ麦パン。 |
青カビがまるでビロードのようについています。