産地 | フランス、サヴォワ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45%以上 |
形状 | 大:直径14cm、高さ3.5cmの円盤状、重さ450〜500g 小:直径9cm、高さ3cmの円盤状、重さ240〜280g |
タイプ | セミハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | スイス、イタリアに隣接するアルプスの山岳地帯のサヴォワ地方で作られる。歴史も古く16世紀に創られた詩の中にその名前を見ることが出きる。 名前の由来は「ルブロッシェ」(reblocher)という‘2度目の搾乳をするために乳房を摘む’意味の言葉からきている説が有力だそうだ。その昔、このあたりの農民は牧場主から放牧のための土地の見返りとして搾乳量の何割かを納めていた。その量をごまかして、検査が終わってから残りを絞って、その乳で作ったチーズがルブロッションだったということだ。 外皮を洗うことからウォッシュタイプと分類されることもある。洗うことによってできる外皮は2ミリくらいで薄いが張りがある。そして他のウォッシュタイプよりもかなり白っぽいオレンジ色(サフラン色)をしている。中身はねっとりと弾力のあるアイボリーの身で、白カビやウォッシュのように流れ出すまでは行かないが、セミハードタイプの中でもかなり柔らかい。 |
食べた感想 | ウオッシュとセミハードの中間のようなルブロションは、癖の強いチーズを食べ続けて‘今日は少しあっさりと品良くチーズを食べたいな…’と思うようなときによく食べます。カットしたときの大きさといい、羽二重餅のような柔らかい身、そしてナッツの風味もかすかにする甘いミルクの味は、食事の前のオードブルにそして食後のデザートに、またおやつにとどんなときにでもマッチします。私はこのチーズの上品で優しいミルクの味が大好きです。 このチーズをうんと熟成させたものというものは今まで見たことがありません。チーズの好きな人は白カビタイプでもハードタイプのチーズでも、たいがいのチーズを熟成させて匂いも味も強くさせひと癖もふた癖もある状態にしたものを好む傾向にあります。しかし私のまわりでも「ルブロッションの完熟が美味しかったわ!」などという声は聞きません。もともとこのチーズが熟成してもトロトロになったり、匂いが強くなったりしないのかもしれません。(今度ルブロションの生産現場へ行く機会があるので、その時にこの謎を解き明かしてきましょう。) 今回食べたものはフェルミエ製(農家製)のもので、工場製のものよりおいしいといわれています。できれば時期的にも夏から初冬のものだと、アルプスの野生のハーブを食べた牛が出す乳から作るのでうんと美味しいそうです。その時期のチーズを「アルパージュ」といいます。先日ルブロションと同じ地方産のチーズであるボーフォールのアルパージュものを食べる機会があったのですが、コクや香りが高く旨みも凝縮して「ジャリジャリ」とした食感を感じることができました。果たしてルブロションのアルパージュはどんな味がするのでしょう。 |
合うワイン | ブルゴーニュの白で比較的サッパリとしたタイプ(プイィ・フュッセ、マコン・ヴィラージュなど)、ボージョレの赤(モルゴン、サンタムールなど) |
合うパン | バゲット |