産地 | フランス、ラングドック・ルション地方 |
原料 | 山羊乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径約6〜7cm、高さ約2.2〜2.7cm、重さ60g |
タイプ | シェーブルタイプ |
季節 | 春〜秋 |
プロフィール | ラングドック・ルション地方は地中海に面したイベリア半島の付け根のあたりからプロヴァンス地方の手前までの地域。この地方のセヴェンヌという地域で生まれた山羊のチーズ。 ペラルドンとはこの地方の方言で「山羊のチーズ」という意味。2000年に37番目のAOCチーズの仲間入りをし、ラングドック・ルション地方の広い範囲で製造されている。 この地方の農家ではごく一般的に作られてきた山羊の小さなチーズで、南仏のハーブを食べた山羊の乳からは濃厚な味わいのチーズができる。フレッシュなうちは酸味と甘みが感じられ、熟成が進むと水分が抜けて小さく固くなりコクが増す。 |
食べた感想 | このチーズが去年、AOCチーズの仲間入りをするまでは全くその存在を知りませんでした。 だいたいシェーブルチーズの産地といえばロワール河流域が超有名。AOCになっているシェーブルチーズ9つのうち6種類がロワール河流域で産出されているくらいですから。でも最近知ったことなのですが、山羊という動物が牛に比べたら小さくて何でも食べて手間がかからないということでフランスの各地の農家で飼われていて、そしてその地方ごとに山羊のチーズというものも存在するということでした。数々のウオッシュタイプが作られているあのブルゴーニュ地方にもまたアルプスの山深いサヴォワ地方でも山羊のチーズが昔から作られているのです。きっとフランス中の片田舎には名もないような山羊のチーズがまだ存在しているのに違いありません。 さてラングドック・ルション地方というのはワインの生産がフランス1多いところということは知っていましたが、チーズに関して言えば今まで有名なチーズやAOCのチーズがなかったので全く不毛の地かと思っていました。単に上手くプロモーションができなかったり、また地元の人たちは自分たちが消費するためだけにチーズをこじんまりと作っているのかもしれません。 そんな地方のチーズがAOCを取るなんてきっとすごくセンセーショナルな事なのでしょう。 そしてそんなフランスの片田舎のチーズがこうして日本に輸入されて食卓に上るというのも、AOCを取ったからならではの事件なのでしょうね。 さてそのペラルドン、小ぶりで100gにも満たないチーズなので買いやすいです。私がショップに買いに行ったときには真っ白くてまだふんわりとした様子のものと、アイボリー色がかって表面も乾いて一回り小さくなった熟成したものがあり、両方同時に買いました。(上の写真が熟成若いチーズ、下の写真は熟成したもの) 若いものはロワールの山羊ほど酸味が強くなく、フレッシュなミルクの濃厚な甘さがダイレクトに伝わってきます。それほど山羊臭さも際立っていないので(きっと状態がいいのだと思う)いくらでも食べることが出来そうです。それに対して熟成したものはナイフを入れてもスッと切れないくらい固くなっていて、前歯でこりこりと囓る感じで食べました。こちらはフレッシュなミルクの甘さは全くなく、その味が旨みというかコクに変わっていました。囓れば囓るほど味がしみ出てくるような、味の余韻がチーズをのみこんだ後にもしばらく口の中を漂っていました。こちらは「珍味」の域に達していました。私は大量に食べるのはちょっと厳しいです。 チーズは熟成の段階によって同じ種類のものでも全然違った性格になるものですが、シェーブルチーズは特にその差が激しいような気がします。いくつも、またいろんな種類のチーズを食べる経験を積んで、私もだんだん自分の好きなシェーブルの熟成の具合がわかってきたような気がします。 |
合うワイン | 熟成の若いチーズには辛口の白ワイン。またはフルーティーな赤ワインなどを(コート・デュ・ローヌなど)。熟成が進んだものは・・やはりミディアムボディーの赤ワインかな? |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)。塩のついていないクラッカー。 |
熟成が進んで一回り小さくなっているもの。