産地 | イタリア、トスカーナ州 |
原料 | 羊乳 |
乳脂肪分 | 40〜45% |
形状 | 直径15〜22B、高さ7〜11B、重さ1〜3L |
タイプ | セミハードタイプ |
季節 | 一年中 |
プロフィール | 主にトスカーナ地方を中心として作られている「ペコリーノチーズ」。「ペコリーノ」とはイタリア語で羊を意味する「ペコラ」からきていて羊のチーズのことを言う。 脱脂した乳でなく全乳でつくるのでリッチな味わい。室温に置いておくとうっすらと汗をかいてくる。 他の地方のペコリーノチーズはやや塩辛いものが多いのだが、このチーズはマイルドで食べやすい。熟成20日頃の若いもの(フレスコ)は弾力がありミルクの甘みを感じることができるが、4ヶ月ぐらい熟成させたもの(スタジオナート)になると豊かなコクが増してくる。 |
食べた感想 |
羊のミルクは脂肪分もタンパク質も糖質もどれも牛乳に比べると多く含まれているため、濃厚な味わいであることが特徴です。ハードタイプのチーズなどはミルクキャンディーのようなミルクの甘みを感じることさえあります。 羊のチーズの産地と言えばフランスならばスペイン国境のピレネーのオッソー・イラティとかロックフォールなどが有名ですが、イタリアはフランスよりも暖かい気候ということや土地の関係で羊のチーズがもっともっとポピュラーなようです。 イタリアでは中部から南部にかけてが羊乳のチーズが特に多いのですが、ほとんどのチーズが「ペコリーノ・○○」と「○○(土地の名前が入る)」の「羊のチーズ」という簡単な名前が付いています。だからこのチーズはどこの地方で作られたものというのが一目瞭然です。 キャンティワインで有名なトスカーナ地方では当然「ペコリーノ・トスカーノ」。このチーズ、数あるペコリーノチーズの中でもかなり洗練されていると思いました。例えば2000年以上の歴史があると言われる「ペコリーノ・ロマーノ」はやたら塩辛いし、もっと南の地方のペコリーノチーズは田舎っぽい味がするというか、雑味を感じることがあります。 トスカーノは羊乳特有のミルクキャンディーっぽい味わいも感じるし塩加減もちょうどいいです。食べていてどこか懐かしいような、郷愁を感じる味わいです。日本人好みの羊のチーズなのでしょうか。 羊は今がちょうどお乳を出す季節。そろそろフレスコ(熟成が若いタイプ)がおいしい季節になってきました。私はフレスコよりはやや熟成を利かせたスタジオナート(4ヶ月熟成)のほうが味わいが好きです。適度に熟成感があり、甘みも感じられ、非常にバランスの良いチーズだと思います。 |
合うワイン | やっぱトスカーナ地方のワインでしょう。キャンティなどサンジョヴェーゼ種のワインと。それかグルナッシュ種のチャーミングな味わいのミディアムボディの赤ワインと。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュなど。 |