産地 | イタリア、カンパーニア州 |
原料 | 牛乳、水牛乳 |
乳脂肪分 | 44〜45%、水牛乳製は52%。 |
形状 | 不揃いな球形。だいたい直径10cm、重さ250g前後。サクランボくらいの大きさ、卵ぐらいの大きさのものもある。 |
タイプ | フレッシュタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | イタリア南部のナポリを州都とするカンパーニア州を中心に作られる、日本でも最も有名なイタリアの代表的なチーズ。「ひきちぎる」と言う意味の名前は、このチーズの製造過程で餅のように粘るチーズを引きちぎって形にしていくことからついた。もともとは水牛乳で作っていたが、年々水牛の数が減ったこともあって今では牛乳製の生産のほうがはるかに多い。 その真っ白な姿と水に浸かって(モッツァレラの場合は薄い食塩水)売られているので、しばしば豆腐の様な感じと説明されたりもするが、豆腐と違い弾力性がある。味は淡白でフレッシュタイプのチーズにありがちな酸味もなく、ほのかに甘みを感じる。 新鮮さが第一のフレッシュタイプなので、できたてのものが一番おいしい(らしい)。日本国内で売られているイタリアからの輸入物もなるべく早く食べる(せいぜい2週間以内で)に限る。最近、日本国内の牧場でもモッツァレラは作られている。 |
食べた感想 | 聞くところによると、最近イタリアからの輸入チーズの日本国内での消費がずいぶん増えたそうです。中でもモッツァレラの人気が一番高いらしく、牛乳製のものはもちろん、水牛乳製のもの、形もサクランボぐらいの‘チリエージ’というものやスモークをかけた変わり種まで輸入されています。 私もモッツァレラはわざわざ買って食べるのは久しぶりでしたが、今回、水牛乳製と牛乳製を食べ比べて見て味の違いに驚きました。値段は水牛乳製のほうが約3割高。袋から出して見た感じはまったく同じでどちらがどちらとはわかりません。しかし切ってその断面を見ると、牛乳製は水牛製に比べて切り口のきめが細かく、固めでした。噛んでみたところ牛乳製のほうが噛みごたえがあり蒲鉾よりやや柔らかい、そして逆に水牛乳製ははんぺんよりやや固いと言った印象を持ちました。そして味ですが、口に入れたときにはさっぱりとした感じなのですが、噛んでいるとじわーっとミルクの甘さが口に広がります。その甘さの広がり方が水牛乳製のほうが断然豊かなのです。比べて食べると牛乳製が若干無機質な感じに思えてしまいました。 イタリア料理、特にピザには欠かすことのできないチーズですが、淡白な味を活かして和風にアレンジすることも出来ます。下の写真はオニオンスライス(水でさらす)、塩茹でしたインゲン、ミョウガ、青ジソなどの上にさいの目に切ったモッツァレラを散らした「和風サラダ」。(星野晴美さんからこのアイディアをメールでいただきました)ドレッシングはめんつゆ、もしくはポン酢でいただきます。 熱を加えると糸を引くように伸び、また風味も加熱しない時とは少し違ってきます。ただセミハードやハードタイプのチーズと違ってコクがもともと少ないので、加熱して食べるよりは生の新鮮さを味わったほうが、モッツァレラに秘められたおいしさがわかりやすいと思います。 |
合うワイン | 赤にしても白にしてもサッパリとした辛口のものがいいでしょう。白ならイタリアのソアベ、フランスのリースリング、ミュスカデなどを。赤ならフルーティーなボージョレー・ヴィラージュやシノンなどを。 |
合うパン | バゲット、レーズンパン。普通のレーズンパンをトーストして、スライスしたモッツァレラをのせればおいしい朝食に。 |
インゲンのサラダにモッツァレラを刻んでのせて。