産地 | フランス、フランシュ=コンテ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径12〜30cm、高さ4〜5cmの円盤形、重さ500g〜1kgまたは 1.8〜3kg |
タイプ | (日本での分類では)ウォッシュタイプ |
季節 | 冬(秋から春にかけて) |
プロフィール |
スイスとの国境のジュラ山脈にはモン・ドール(黄金の山)という山があり、このチーズはこの
山岳地帯の農民によって作られてきた。もともとはコンテやモルビエなどのチーズを作った後の
残ったミルクで作られていたそうだ。AOCに指定された地域以外の近隣の地域でも、同じ製造
過程で作られるチーズがいくつもある。国境を越えたスイスにもあり、それらを総称して‘ヴァシ
ュラン’と呼ぶ。製造過程からエピセアというもみの一種の薄板で周囲を巻いていて、熟成したチ
ーズは流れるようにトロトロで、木箱から外すことができない。表面は薄いオレンジ色のカビで被
われていて、ビロードの布がかけられているよう。表面のカビを取り除くと、中からアイボリー色
のクリーミーで、スプーンですくわないと取り出せない柔らかいチーズが現れる。 製造解禁日 が8月15日と定められていて,製造元で4週間、その後チーズ業者で2〜3週間熟成させるので、一 番早く市場に出るのが9月末、「ヴァシュラン・ヌーボー」とパリの人々は待ちわびているそうだ 。フランスが長いあいだ輸出を禁止していたため、現地に行かねば口にすることの出来ない幻のチ ーズだったが、去年から輸入ができることとなり、今では手に入れることができる。 |
食べた感想 | 以前より食べてみたいと熱望していたチーズ。お店で見つけて
大きさも考えず、即買ってしまいました。しばらく自宅の冷蔵庫の野菜室で保管していたのですが、
セロファンでパッケージされているにもかかわらず、漬物臭が充満しました。(でも、モン・ドー
ルを食べることへの期待感が扉を開く度に高まりました。)食べるにあたってセロファンを取って
テーブルに置くと、今まで以上に強烈な匂いが部屋中に漂います。さっそく外皮をナイフで穴をあ
け中身をすくってみると、常温なのにトロトロでした。強い匂いに反して、チーズは柔らかい口当
たりで味も優しく牛乳の豊かなまろやかさが感じられました。(少し塩っ辛かったけれど) 私はパンと共になめるように食べましたが、お店の人や本などの紹介には、茹でたじゃがいもにの せていただくのがおいしい食べ方だそうです。チーズに辛口の白ワインを注いでを木箱ごとオーブ ンで焼く「モン・ドールの丸焼き」という食べ方も、フランスでは大変ポピュラーだそうです。 カットができないチーズなので、木箱ごとテーブルに出してスプーンですくってお皿にとります。 チーズやワインの好きな仲間が集まって、フォンデュをするようにわいわいと賑やかにやるにはピ ッタリだと思います。 |
合うワイン | 腰のある赤ワイン。私はコート・ロティと共に食べましたが、 ワインのスパイシーな感じとはあまり合わないように思いました。ですから、ブルゴーニュのフル ボディー、例えばボーヌ・ロマネとかが良いのではないでしょうか。 |
合うパン | バゲット、カンパーニュ、クルミやレーズンの入ったライ麦パ ン。 |
常温でもこんなにトロトロ。