産地 | イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 40% |
形状 | 直径30〜40B、高さ6〜10B、重さ5〜9L |
タイプ | ハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | イタリア北東部、オーストリアとスロベニアに接するフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で作られるチーズ。 歴史は古く13世紀の頃この地の修道院で作られ始めたらしい。「モンターズィオ」とは2753mのモンターズィオ山というあり、その名前が付いている。 このチーズはいろんな熟成段階で食べるようで、2ヶ月くらいの若い熟成のものはフレスコといいチーズの色は薄いアイボリー色で柔らかい。5ヶ月くらいたつものをメッツァーノといい、12ヶ月熟成をさせたものをスタジオナートと呼ぶ。熟成が進むにつれチーズは固くなり、色も味わいも濃くなってくる。スタジオナートは旨みも充分感じられるようになる。 チーズの回りには“MONTASIO”の文字と「M」の文字を山型にかたどったDOPのマークが刻印として押されている。 |
食べた感想 |
去年、チーズの旅で訪れた北イタリアはピエモンテ州。北イタリアでも西のほうです。イタリアの山のチーズ工房の見学で数種類のチーズ工房を訪ねたが、どこも厳しく豊かな自然の恩恵を受けた酪農とチーズ造りをしているのが印象的でした。 モンターズィオは北イタリアでも東のほうのフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で生産されているチーズ。実際には訪ねてみたことがないのですが、きっとピエモンテ州のチーズ工房と同じように厳しい自然と隣り合わせで生活があり、そこから生まれたチーズなのでしょう。 山のチーズとはイタリアに限らず、フランスやスイスでも同様に山に自生する牧草を食べ、きれいな山の空気でストレス無く生活している牛たちから絞ったミルクで春から夏場に作られるハード、もしくはセミハードタイプのチーズをいいます。 どれも昔ながらの素朴な作り方を守っているものが多いので、非常に素朴でまた地味溢れるチーズたちばかりです。しかしながらときにはちょっと地味すぎて印象が非常に弱かったり、味のバランスが“?”と思うようなチーズがあったりします。特にイタリアのハードタイプのチーズはまだまだ食べ慣れていないこともあるためか、コレは美味しいね!と思えるものが私は少ないです。どれも似たような印象で可もなく不可もなく。 以前、わたしが開講しているチーズセミナーでイタリアのハードタイプのチーズばかりをいくつも食べ比べるという機会があったのですが、参加してくれた生徒さん達は一様に「味が単調だ」とか「油焼けをしたような味がする」とか「ゴムっぽい食感だ」というネガティブな感想が噴出しました。 ま、確かにその通りかもしれないな。現地で食べるのと日本で食べるのとではチーズの味も変わっているだろうし、フランスのグルメなチーズを食べなれてしまっている日本のチーズファンにとっては、かえって素朴すぎると感じてしまうのかもしれません。 でも決まってそんな食べ比べの中でも、モンターズィオだけは「これは美味しい」とみんなに評価されるチーズなのです。 12ヶ月熟成させたものをいつも食べるのですが、ちょうどこの熟成加減が日本人が反応しやすい「旨み成分」が感じられるようになる頃合いなのでしょう。パルメジャーノ・レジャーノほど結晶化して旨みのかたまりというわけではないのですが、程良くこなれてきているコクと旨みが他のイタリアのハードチーズよりは頭ひとつ抜きんでている感じです。 本などによるとミディアムボディーからフルボディーの赤ワインなどと合わせると良い、と書いてありますが、私はこの地方で作られるシャルドネの白ワインとの相性を試してみたらきっといいのではと考えています。(まだ体験できていませんが) |
合うワイン | フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の白ワイン、中でも特にシャルドネ種。ミディアムボディからフルボディの赤ワインでも。(トスカーナ州のサンジョヴェーゼ種のワインなんかがよいのでは?) |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ。 |