産地 | フランス、イル・ド・フランス地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径36〜37cm、高さ3〜3.5cm、重さ2.5〜3kg |
タイプ | 白カビタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | 「モー」という村のブリーチーズ。「モー市」はパリから北東へ約50kmのところにあり、例えて言うなら東京から川越市くらいの距離だとか。(パリ近郊ということ) 歴史は古く、8世紀の昔のシャルルマーニュ(=カール大帝)の好物のチーズだったとか。直径が36cmもあり厚さはわずか3cmほどの軟らかく輸送には相当不向きなこのチーズが道路が舗装もされていなかった時代から有名で人気があった理由は、ひとえに産地がパリの近くであったからだ。歴代の権力者、例えばルイ16世、タレーランなどもこのチーズの愛好家として大変有名。 ブリーという名のチーズは世界中で作られているが、AOCチーズのブリー・ド・モーにはいくつかの厳しい規定がある。その中のひとつが「原料となる牛乳は無殺菌乳を使用しないとならない」ということ。無殺菌乳から作るチーズと殺菌乳製のチーズとの大きな違いは、チーズの味に奥行きをもたらすということ。牛乳の中に自然に繁殖している様々な菌の作用で複雑な味をかもし出す。 外側の白カビはちょうどチーズが食べごろの頃には、真っ白からやや褐色がかり少し汚れたような感じになる。タマゴ色をしたチーズの身は流れ出すほどには熟成せずむっちりとした触感で、熟成が進んでも匂いも味もきつくなりすぎず優しくてエレガントなチーズだ。 |
食べた感想 | ブリー・ド・モーといえばカマンベールと並ぶくらいの白カビタイプのチーズの代表選手。カマンベールはブリーの製法をお手本にして16世紀に作られ始められたというから、ブリーのほうがずっと歴史は長いようです。味もクセがなく食べやすいのでナチュラルチーズを食べる取っかかりにするにはうってつけのチーズだと思います。 私のチーズの座右の書である「チーズ図鑑」のブリー・ド・モーの所の書き込みによると、最初にこのチーズを意識して食べたのは95年の7月。(記憶にはない)その感想に「まろやか、クリーミーすぎず、固すぎず」と書いてありました。まだチーズの経験がほとんど無く、他のチーズと比較のしようも無かった頃ですが、一体どんなチーズだったのかまるでわからない感想です。でもチーズに対して免疫力のないこの頃でも抵抗なく食べることができたようで、それ以来どんどんクセのあるものヒネリのあるものへとはまっていきました。 しばらくはシェーブルやウオッシュ、青カビなどいわいる「通好み」のチーズばかりを追い求めてましたが、いろんなチーズを食べてきた今、ほんとに美味しいなと感じるチーズは意外にも優しい味わいでクセはそれほどない、しかし滋味あふれる奥行きのある味のチーズなのです。(これは単に私が日本人の舌を持っているからかも知れませんが…)ブリー・ド・モーはそんなチーズです。 カットするとほっそりとスタイリッシュで、タマゴ色のチーズの身はふっくらむっちりとしていて決して流れ出さない弾力を持ち、味わいは塩辛さや刺激などの尖った特徴も高脂肪による過剰なコクはないものの、ミルクのまろやかさが素直に感じられそれでいて無殺菌乳独特の味の複雑さ奥行きがあります。 |
合うワイン | 白ワインならコクがあるシャルドネ種のワイン。 赤ワインならフルーティーなボージョレのワインなど優しい感じの赤と。ボルドーの熟成したやわらかいワインとあわせるとエレガントさがより引き立つかも。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ |