産地 | フランス、アルザス地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 50% |
形状 | 直径10.5〜11.5cm、高さ約2.5〜3cm、重さ200g |
タイプ | ウオッシュタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | ドイツと隣接するアルザス地方にはAOCチーズのマンステールがある。そしてアルザス地方の産物といえばワイン。リースリングやゲヴェルツトラミネールといった白ワインの名醸地でもある。 このチーズはマンステールの小型のサイズ(日本では最もよく見かけるサイズ)のチーズをゲヴェルツトラミネール種のブドウの絞り粕から作ったマール(地酒)で洗いながら熟成をさせて完成する。 表面は薄いオレンジ色でジメジメと湿っていて匂いも相当強い。チーズの中はクリーム色のムッチリとした身で表面の匂いほど強烈な個性はなく、旨みが充分につまっていてミルクの甘みもほのかに感じる穏やかな味。 「ハンジ」と言う名前は(フランス語の発音では「アンジ」)この地方の女の子の名前でポピュラーな名前。パッケージの大きなリボンをした女の子はイメージキャラクターというところか。 |
食べた感想 | アルザス地方には行ったことがありませんが、かつて世界の情勢によってドイツの占領下になったりフランスの占領下になったりと不安定な統治がなされていて、文化的にもドイツとフランスのどちらもがみられる地域と聞いています。そういえばアルザス地方のワインの瓶はドイツワインと同じような細長い形をしているし、作っているブドウ品種もドイツのものとだぶっています。 しかしチーズはドイツから入ってきた、あるいはドイツの影響を受けた・・・という感じではないようです。アルザスのチーズと言えば「マンステール」ですが、このチーズはアイルランドから来た修道僧によって作られるようになったと言われているし、マンステールのような表面が濡れたような身の柔らかいウオッシュタイプのチーズはブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方にたくさん見られます。 この表面が濡れて身が柔らかくなめらかな身をしたウオッシュタイプのチーズは、熟成の若いものよりしっかり熟して芯がなくなったもののほうが数段美味しいと思います。 今回購入したハンジはお店の人も「最高の熟成状態ですよ」と太鼓判を押してくれるほど、しっかりと芯が抜けていて、しかも過熟になっていないので苦みも出ていないとても美味しいものでした。コクと甘みと塩分が調和されていてこれぞウオッシュタイプの醍醐味ともいえる味でした。口の中に入れるととろけるような柔らかさ、そして熟れたチーズ特有のあとを引く美味しさ。一人でワインを片手にもうちょっともうちょっと・・・と食べて進んでいって、気付くと200gほとんど平らげてしまいそうになってしまいました。 パンは天然酵母で焼き上げた全粒粉50%の噛んだら味のでるパン。濃厚なチーズにも負けずについてこれる骨太な味。そしてワインはオーストラリアのカベルネ×メルロー。オーストラリア特有の果実味、樽香の甘い風味のハッキリとした味のフルボディーのワインでしたが、今回のチーズが素晴らしかったのでちょっと押され気味。果たしてワインがゲヴェルツトラミネールだったらどんな調和が楽しめたのか、試してみたかったです。 |
合うワイン | 地元の白ワインのゲヴェルツトラミネール種の白ワインを。リースリング、ピノ・グリでも。フルボディーで柔らかいタンニンの赤ワインにも。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)、くるみ入りのパンなど。 |
イメージキャラの「ハンジちゃん」