産地 | フランス、イル・ド・フランス地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 75% |
形状 | 直径8B、高さ6B、重さ250g |
タイプ | 白カビタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | ブリーチーズなどの産地として有名なイル・ド・フランス地方で作られているクリームを添加したトリプルクリームのチーズ。 この手のチーズの歴史は戦後に新しく誕生したタイプになるが、その中でもわりと古参格ではある。 チーズの名前は「探検者」という意味でそのラベルもロケットが飛び立つ様子の絵が描かれていて、なかなか勇ましい。 滑らかな舌触り、高脂肪分から来るコッテリとした味、まるでバターのようなチーズではあるがしっかりと酸味やチーズらしい旨みも感じられる。熟成の若いうちはほとんどしろカビがなく酸味も強いが、次第にふんわりとした白カビをまとうようになり味わいも濃厚に変化していく。 |
食べた感想 |
あまり高脂肪タイプのチーズは好まないのでめったに購入することがありません。味が嫌いというわけではなくて、単に「高脂肪」というところが気になってしまうから。普通の脂肪分のチーズで十分においしいし好きな味わいの物があるので、どれを買おうかなというときになって「高脂肪」ということで選から漏れるというわけです。それにやはりどのチーズも味わいが単調で似たり寄ったり、というイメージが強いのです。 しかしながらエクスプロラトゥールは「イル・ド・フランス地方のチーズ」というテーマで行うセミナーでよく使うチーズなので、ブリー・ド・モーやムラン、クーロミエのブリー3兄弟とともに試食する機会は多いです。 ブリーチーズと同郷ではありますが、やはり脂肪分が高いこともあり一口入れると口溶けの滑らかさが他のチーズとは違います。体温でまず脂肪分がするっととけるのでしょうか非常に滑らかです。しかも、私が購入するのは熟成状態が若いものにあたることが多いため、バターのようなコクとほのかな酸味が同居しているようなチーズということが多いです。他にもトリプルタイプのチーズはいくつかありますが、ただ濃厚なだけのチーズってのもあります。酸味がちゃんとあり味のアクセントもあるエクスプロラトゥールは、たまに食べるとおいしいなぁと感心してしまいます。 先日もセミナーで使用したのですが、量が多かったのでセミナーでは半分だけ使い後はラップして自宅の冷蔵庫に保管しておきました。しばらくチーズを冷蔵庫に入れているということを忘れていて半月後ぐらいに発見したときには、なんと白カビがびしっと生えそろっていたのです。チーズのガイドブックなどには白カビタイプのチーズとして紹介されているエクスプロラトゥールですが、いつもつんつるてんでカビは生えていない状態で購入することが多いので(前記の通り若いものに当たりやすいのです)見慣れないチーズになっていたのですが、これがひょっとしたら本来の姿なのかな?と思いつつ、もう少し成長を見守ることに。 そしてそれから1週間ばかりしてラップで包んでいるために少々蒸れてきたこともあり、そろそろ食べ頃と見切りをつけて食べてみました。するとかなり強い風味になっているではありませんか!いつも食べているあの爽やかな酸味は影をひそめ、バターっぽい濃厚さとチーズの熟れた香りと味わいが堪能できました。 日本のスーパーや百貨店で見かけるトリプル、ダブルクリームのチーズはステビライズドといっていつ食べてもおいしい、食べ頃を気にしないで買えるという熟成しないタイプのものが多いので、おもしろみのないチーズばかりだと思っていましたが、エクスプロラトゥールは違いました。食べての好みによって様々な状態を楽しめる。これぞ、熟成チーズの醍醐味です。 ひとつが250gもありますから、買ってきたら半分にカットして片方はすぐにラップをしてタッパーに入れ野菜室に保管、そしてもう片方はその状態で食べてみる。しばらくして白カビがきれいに生えそろった頃に保管しておいたものを試してみる、ってのはどうでしょうか。合うワインもきっと微妙に変わってくるに違いありません。 |
合うワイン | フレッシュなものにはスパークリングワイン、フルーティーな赤ワインを。少し熟成したものにはミディアムボディの赤ワイン(ACブルゴーニュとか)、ややしっかりした造りのシャルドネ種の白ワインなどを。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ、そば粉入りのパン、ライ麦パン。 |