産地 | フランス、フランシュ=コンテ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径40〜70cm、高さ9〜13cmの円盤状、重さ35〜55 kg |
タイプ | ハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | 正式名称を「グリュイエール・ド・コンテ」というこのチーズはフランスチーズ国内生産量のトップである。スイスの有名なチーズ「グリュイエール」
と製法も味も似ているが、名前の由来はここからではないようだ。名前の由来はその昔、チーズが課税対象であり、チーズを作っている農家から税金を徴収する役人を「グリュイエ」と呼んでいたことから来ているらしい。このコンテの起源はローマ時代にまでさかのぼる古いものだ。 コンテチーズひとつを作るのに大量の牛乳(500リットル)を必要とするため、小さな農家(牧畜農家)が個々の収穫量で作ることはとてもできないことから、収穫した牛乳を持ち寄る「協同組合方式」が13世紀には誕生していた。そのシステムは今も存在している。 コンテはAOCを持つチーズだが、その品質管理はとても厳しく行なわれている。形、表皮、味など5つの項目で、合計20点満点中12点に満たないとAOCを失格して「グリュイエール・ド・コンテ」の名は語れず「グリュイエール」という名前で売られる。(ちなみに20点満点中15点以上だと緑色のベルのマーク、15〜12点以上は茶色のベルのマークが表示される) 外皮は茶褐色で固く、中身はアイボリーよりややタマゴ色に近い黄色。香ばしいナッツの香りがして、コクはあるが癖のなくミルクの甘い味もかすかにしている。 |
食べた感想 | まだナチュラルチーズにあまり馴染みがなく、プロセスチーズやセミハード、ハードタイプといえばゴーダやチェダーしか食べていなかった頃、はじめてコンテを食べて「にがい」と、そして「くさい」と感じたことを思い出します。今でも一口目は苦みは感じますが、かみ砕いていくうちにそれが「苦い」という表現というより「コク」という感じに変わってきます。「くさい」感じも濃厚な牛乳の熟成が醸し出すもので、これも「コク」や味の奥行きになくてはならない重要な要素だと、近頃わかってきました。 コンテも熟成させるとますます味が深くなってきます。一口かじるだけでじんわりと口中旨みが広がり、それだけでごちそうです。辛口のコクのある白ワイン、程よくタンニンが味わえる赤ワインと共にいただけたら最高でしょう。また、それほど熟成していなくてもテーブルチーズとして、料理用のチーズとして活用範囲のとても広いチーズです。パンにハムとチーズをのせて軽くトーストしても良し、オニオンスープにのせてオーブンで焼いても良し、豚肉と野菜と重ね焼をしても良しと自在に使えそうです。 コンテの人気の秘密は元気で明るい感じのするナッツ香で、味も「コク」があるににさっぱりとしていて、飽きのこない所にあるのでしょうか。 |
合うワイン | わりと守備範囲が広いように思います。熟成の若いものには、ボージョレなどの軽めの赤、さっぱりとした白ワイン。熟成が進んだものには、しっかりとした辛口の白ワイン(ムルソーなど)、タンニンが少しは感じられるようなボディーのやや強い赤(ボルドーでもあまり古くないもの=若飲み)などを合わせたらいいのではないでしょうか。 |
合うパン | ライ麦パン、カンパーニュ。パンと共にトーストする場合なら、食パンでもOK! |