産地 | フランス、サヴォワ地方 |
原料 | 山羊乳 |
乳脂肪分 | 45% |
形状 | 直径8〜10B、高さ3〜4B、重さ250〜350g |
タイプ | シェーブルタイプ |
季節 | 夏から秋 |
プロフィール | 2002年5月にフランスの39番目のAOCチーズとして正式に仲間入りをしたばかりのチーズ。 産地はサヴォワ地方で同地方のAOCチーズとしては4番目。 同じ地方のAOCチーズの「ルブロション」(牛乳製)の山羊乳版といえるチーズ。 外皮は軽くウオッシュするのでやや湿り気があり薄ピンクからオレンジ色をしていて2ミリ程度の厚さ。所々に粉がふいたような白っぽいカビも見られる。チーズの中身はシェーブルチーズだけあって白くてムッチリとしている。小さな気泡がプツプツとあいているが、テクスチャーはなめらか。 山羊の風味はするものの、酸味や刺激はまったくなく穏やかで芳醇なミルクの甘みや旨味が十分に楽しめる。 |
食べた感想 | 97年にサヴォワ地方を旅行したときのことを思い出します。ルブロションの熟成庫の見学にとサヴォワの小さな村に寄ったとき、熟成庫で初めてシュブロタンを見ました。ルブロションは日本でも有名でしたし私のもっとも好きなチーズでもあったので良く知っていたので、山羊乳製のシュブロタンはルブロションの単なる模倣チーズもしくはアレンジチーズか何かだろう・・・と勝手に思いこんでいました。 で、今年春にAOCの仲間入りをしたと聞くまでそんなに伝統があったチーズとは夢にも思っていませんでした。調べてみればサヴォワ地方の村や地域によって様々なシュブロタンが存在し、その形状も熟成の仕方なども微妙に違っているようです。今回AOCになったシュヴロタンはその中でも「シュヴロタン・デザラヴィ」(Chevrotin des Aravis)〜アラヴィの山の地域で作られるシュヴロタン〜ということです。 このチーズはルブロションのようにまわりを軽く塩水でウオッシュしているので薄いですが表皮がキッチリとあります。薄いオレンジ色でカサカサと乾いているものもあれば、ものによってはやや湿っているものもあるようです。この薄い皮が口に入れたときに歯触りというか食感が楽しい!(注:外皮は好みによって取り除いて食べるもの。食べることが礼儀ではありません。) そしてカットしてみるとシェーブルということでチーズの色が白いのです。上の写真でもわかるとおり右にちらりと写っている牛乳製のチーズに比べると真っ白です。(白い理由は山羊が牧草や木の葉っぱなどに含まれるカロチンを体内でビタミンAへと分解してしまうため、ミルクに黄色っぽい色素が入り込まないためです。)ルブロションのようにムッチリ、ふっくらしています。柔らかくて舌触りもとても良く味わいも穏やかです。しかし、時にはややカマボコのような食感で味も平板、山羊乳のくせが全面にでてしまってミルクの甘さが全く感じられないようなものに当たってしまうことがあります。 初めて食べたのは97年のサヴォワ旅行の時。その時の記憶は実はあまりないのですが、今年の6月にアルザス地方のコルマールという街のフロマージェリーで見つけたシュヴロタンのチーズの身は非常に柔らかく口の中に入れるとすうっと体温でチーズがなめらかに溶けていくような、素晴らしい口当たりのものでした。味わいも山羊のチーズの独特の風味はあるけれど、チーズの味にキッチリとおさまっていて塩加減やミルクの旨味、コクなどと完璧なバランスで存在していました。 これほどのシュヴロタンに今後出会うことができるでしょうか・・・。日本にはまだその存在があまり知られていませんし、またそろそろシーズンが終わってしまうので来年の春頃に一斉に「新AOCチーズ」ということで紹介されるのでしょうか。 |
合うワイン | なかなか売っていないけれどサヴォワの白ワインと。産地が違っても赤ワインよりは白ワインのほうが合うような気がします。 |
合うパン | バゲット、パン・ド・カンパーニュ。 |