産地 | イギリス、サマーセット州 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 48% |
形状 | 伝統的な物は直径32B、高さ28B、重さ27Lの円筒形。輸出用の工場製は立方体。 |
タイプ | ハードタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | 16世紀頃にサマーセット州にあるチェダーという小さな町で作られ始めたとされている。以来、イギリスを代表するチーズとなり、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどイギリス人移民が世界各地でチェダーチーズを作ったことから、今では世界中で生産されている。 チェダーはイギリスを代表するチーズというだけではなく、チェダリングという独特の製法も有名だ。チェダリングというのは凝乳酵素でミルクを固め、細かく切ってホエーを抜いた後のカードを固めてまた脱水し、再び細かくした後に塩をしながら型に詰めていく製法。できあがりのチーズの組織はボロボロとした荒い組織でつるりと滑らかではない。 イギリスでもほとんどが工場製のブロック状のものか、円筒型でもワックスで表面を覆った物が多いが、ほんのわずかながら農家製の物で伝統的な製法や仕上げを施したチェダーが生産されている。(トラディショナル・ファームハウス・チェダー) |
食べた感想 |
チェダーチーズはゴーダチーズと並んで日本人好みのチーズといわれていて、まだ私がチーズに興味のない頃から名前と姿が一致していました。というのも、チーズがオレンジ色をしていて、ちょっと高級なサンドイッチには必ず使われていたりしたからです。パンの間からちらりと見えるオレンジ色のチーズは、ちょっとお洒落なサンドイッチを演出していました。 このチェダーチーズのオレンジ色は、フランスのミモレットなどと同様に「アナトー」という色素で着色をしていますが、伝統的なチェダーチーズはアイボリー色です。(写真参照)チーズ売場で並んでいるオレンジ色のチェダーは必ず四角いです。工場製で大量生産されていてブロック状に仕上げるからです。しかし、今でも伝統的な製法に乗っ取ってイギリスの農家で作られているチェダーは円筒形に作られ、ワックスコーティングまたは包帯のように布で外側を巻いてラードで塗り固めて熟成をさせます。これがトラディショナル・ファームハウス・チェダーです。一般に売られている工場製のチェダーは熟成が若いものですが、このトラディショナル・・・は9カ月以上熟成をさせているので、味はコクがあり香りも豊かでパンに挟んで食べるなんてもったいない!しっかりワインのお供になります。 日本で手に入るチェダーチーズはイギリス産ばかりではありません。アメリカ産のチェダーチーズはアメリカに移住したイギリス人が1800年代の半ばにアメリカで生産するようになり、その生産量は本場のイギリスをしのぐほどです。東京のナショナル麻布スーパーでアメリカのバーモント州のチェダーが熟成期間違いで3種類ほど売られています。(14カ月、18カ月、30カ月) 30カ月のチェダーは組織もボロボロで水分がすっかり抜けた感じになっていますが、非常に濃厚でワインなしで食べるにはきついくらいです。 比較的手軽な値段で手に入るオレンジ色の工場製のチェダーを普段使いに、そして時にはイギリスの農家製のものやアメリカ産でも熟成期間の長い物をとっておきのワインと共にと使い分けができるのも楽しいもんです。 |
合うワイン | 軽めでフルーティーな赤ワインからミディアムボディーの赤ワイン。熟成が進んでいるものにはフルボディーの赤ワインでも。 |
合うパン | バゲット、クラッカー、パン・ド・カンパーニュ。 |