カチョカバッロ
Caciocavallo
産地イタリア、南イタリア(カラブリア州、カンパーニャ州、モリーゼ州、プーリア州、バジリカータ州)
原料牛乳
乳脂肪分最低38%
形状直径8〜10B、高さ25〜30B、重さ21.5〜2.5L
タイプセミハードタイプ
季節1年中
プロフィール頭の小さい瓢箪型のチーズ。ところによっては洋梨型のものも。「カチョ」はトスカーナや南イタリアではチーズを意味する言葉で、「カヴァロ」は馬を意味する。
くびれに紐を引っかけて棒の左右に吊らして熟成した姿が馬の背にまたがっているような格好なので、この名前が付いたという説が名前の由来では有力。
モッツァレラチーズと同じくパスタフィラータという製法で作られるので、熱にかけると糸を引くようにとろけて伸びる。
燻製をかけたもの、熟成が若いもの、かなり熟成させたものと同じチーズでもいろんな楽しみ方がある。若いうちはミルキーな甘みが感じられるし、熟成が進むとだんだん強い風味と固さが増してくるので料理用に向いている。
このチーズに似たチーズがハンガリー、ブルガリア、ボスニア、トルコなど地中海から東欧にかけても存在する。
食べた感想カチョカバッロとは形がまずとても印象的です。写真にあるように瓢箪のようなくびれた口のところがひょうきんな感じの巾着型がよく知られている形であるように思います。
けれどチーズの本やチーズのスクールで習ったことによると、形は地域によって違うようです。この巾着型のカチョカバッロが作られているのはカンパーニャ州、モリーゼ州、プーリア州(ナポリのあたりから長靴のかかとの部分の辺り)で、それ以外のバジリカータ州とカラブリア州では巨大な洋梨型のカチョカバッロが作られているそうです。
日本のチーズ農家でも美味しいカチョカバロを作っているところがいくつかあります。有名な吉田牧場のカチョカバッロを一度だけ食べる機会があったのですが(橋本さん、ありがとう)、非常にミルキィで甘くて感動しました。共働学舎新得農場のカチョカバッロも同じような印象を持ちました。とにかく優しくて子供からお年寄りまで誰もが「美味しい」と感じることができるような、マイルドな味わいでした。そういう味わいのするカチョカバッロは身もしっとりとしなやかな柔らかさがあり、塩分もそれほど感じない若い熟成のものです。
チーズ専門店で買った「カチョカバッロ・シラーノ」というイタリアのDOPチーズはもう少し固くて身がしまっていました。見るからに色も濃くて(濃いアイボリー色)食べるとシコシコとカニかまのような(ちょっと例えが違うかな?)独特の歯触りと、かなり強い塩分を感じました。聞いてみると熟成も4ヶ月くらいたったものだそうです。コクもあるのですがココまで塩辛いとやはりお酒が一緒でないと少しつらいかな・・・という印象を持ちました。
どちらもそれぞれに違った美味しい顔を持っているのでそれぞれに楽しいのですが、私の中ではカチョカバッロは甘くてミルキーな優しい味、ついついあとを引いてしまう美味しさ・・・というのが印象として定着しています。そして若い熟成のものは熱を加えると柔かく糸を引くようになるのですが、流れ出てしまわない程度に加熱して熱々をパンやポテトに乗せて食べたら、また違った美味しさを発見できました。
合うワイン熟成の若いチーズには白ワインやフルーティーなライトな赤ワインを。イタリアのフラスカーティや安めのキャンティなど。熟成が進んでコクのあるものにはミディアムボディからフルボディの赤ワインを。キャンティなら現代的な作りをしているやや値段の高めのものや、サルディニアの果実味のあるカントナウなどを。
合うパンバゲット、パン・ド・カンパーニュ(田舎風のパン)。




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