今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。 チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。 ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。 |
バヴァリア・ブルー |
チーズの生産量では世界第2位のドイツですが、スター的な存在のチーズがないため意外にドイツ産のチーズって知られていません。 ドイツは酪農業が盛んです。豊富なミルクからいろんな種類のチーズが生産されています。伝統的なチーズというよりは現代の嗜好にあった新しいタイプのチーズをたくさん造って、海外へ輸出しています。 それらのチーズの中でトップクラスで海外での知名度が高いチーズが『バヴァリアブルー』です。 ドイツのチーズメーカーは1970年代に白カビタイプと青カビタイプの2種類の特徴を取り入れ、さらに乳脂肪分を添加したダブルクリーム(70%)の造ることに成功しました。 クリーミーで優しい風味、しかしながら青カビのアクセントを効かせたこのタイプのチーズを「ブルー・ブリー」と呼び、バヴァリアブルーやカンボゾーラなどの商標で売り出されています。 乳脂肪分が高いため一口目はまるでバターのようにリッチです。 そしてきれいな白カビからはキノコ(マッシュルーム)のような湿った香りがあります。 青カビはクリーミーなテクスチャー(組織)のところどころに入っていますが、ブルーチーズ特有のツンと鼻をつくような強い香りがなく、食べると少しだけ青カビの風味を感じることができるといった程度です。 ですから、ナチュラルチーズにあまり慣れていないと言う人でも食べやすいチーズとして大変好評です。 とても柔らかいので、小さく切った固めのパンやクラッカーにペースト状に塗って食べましょう。 また、ワインも風味がさほど強くない軽め?中口の白やフルーティーな赤ワイン、ロゼワインなどにカジュアルに合わせてみたらいいと思います。 |
シュロプシャー・ブルー |
オレンジ色のブルーチーズ。あ、もちろんカビはあおみどり色です。チーズの身がオレンジ色、ちょうどイギリスのチェダーチーズのような色をしています。 色の付いた青カビタイプのチーズってとても珍しいです。このチーズの他には見かけません。 見た目はちょっと変わったチーズですが味のほうはそれほどインパクトはありません。というより、青カビタイプ特有の舌をぴりっと刺すような刺激がそれほど強くない、穏やかな味わいのチーズです。 このチーズ、もともとはイギリスの代表的なチーズの一つである「スティルトン」という青カビタイプのチーズメーカーが1970年代に作り始めた歴史の新しいチーズなのです。 アナトーという植物由来の着色料で鮮やかなオレンジ色に染められたチーズに青カビを入れて作っています。 イギリスの伝統的なチェダーチーズとスティルトンを融合させたような、まさにイギリスチーズのいいとこ取り。 オレンジとあおみどりのコントラストがなかなか鮮やかで、チーズプラトー(チーズの盛り合わせのお皿)に加えると少し華やかになります。 |
ロックフォール |
世界3大ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ・スティルトン・ロックフォール)のひとつです。 ブルーチーズの青カビは固まる前のミルクの中に故意に青カビを入れ、チーズの熟成と共に内側からどんどん増えていきます(自然に青カビを発生させるブルーチーズも世の中にはあるようですが)。チーズの中の青カビが脂肪分を分解してあの独特の匂いと舌を刺すようなピリッとした刺激を作り出すといわれています。 ロックフォールといえば2000年も昔から作られていたとされている歴史も古いチーズですが、まずその刺激的な味、非常にインパクトのあるブルーチーズとして右に出るものはありません。 ロックフォールより強い、通の好むブルーチーズというものはそうないはずです。そんなことからも「チーズの王様」と言われるのでしょう。 ブルーチーズは牛乳製のものが多いですがロックフォールは羊乳。もともと羊乳は牛乳より乳脂肪分が少し高いそうです。その乳も非常に高品質なものしかチーズに使わないのだそうで、あのバターのようなまろやかさはその品質の証しなのかもしれません。少々塩っ辛かろうがカビのピリッとした刺激がきつかろうが、カケラを口に入れてゆっくりと舌の上でバターのようにとかして、口中でじんわりととけ出すミルクのコクを楽しんでいたいようなそんなチーズです。 そのまま食べるにはクセがありすぎて、とても食べられない・・・(そういわれる方もたくさんいらっしゃると思いますが)ということでしたら、ハチミツをかけて食べたり、クリームチーズと混ぜてチーズをペースト状にしてフランスパンなどにぬってトースターでこんがり焼いて食べたりと、ちょっとアレンジしてみては如何でしょうか? 料理に使うとするならば、グリーンサラダに小さくしてまぶしてドレッシング代わりにしたり、パスタソースとして利用したりと塩分を活かす方法で使うのと良いようです。 非常に強くて個性的なこのチーズに太刀打ちできるのはフルボディーノ赤ワイン。もしくはハチミツのように甘?いデザートワインと。今回のように世界三大ブルーチーズには貴腐ワインとぜひ合わせたいものです。
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