チーズのよりやさしいご説明

今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。
チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。

ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。

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タレッジョ


チーズの外皮を洗って熟成させる「ウオッシュタイプ」といわれるチーズです。匂いが強く、強烈な個性を持つタイプといわれていますが、タレッジョはそれほどではありません。むしろ穏やかな風味でミルクの甘みが充分に堪能できる優しいチーズです。

ひとつが5キロもあるチーズを100gにカットしてお届けします。外皮は淡いオレンジ色、中身は薄いアイボリー色でかなり柔らかいです。匂いはそれほど個性的ではないのですが、どことなく田舎っぽいです。(私は麦わらの香りを連想してしまう) 牛乳で作るチーズでチーズ自体の味もそれほどクセがありません。コクがとてもあるわけでもないし、サッパリと爽やかな感じでもないのですが、主張がそんなに激しくない大人しいチーズ。毎日食べても飽きない、でもじわっと美味しい、滋味溢れる素朴系チーズです。

そんな素朴な感じのタレッジョは北イタリアのロンバルディア州というアルプス山脈のふもとの谷間で作られているチーズです。(今は平野部の工場製がほとんどですが) イタリアにも500種類を越えるチーズが存在すると言われていますが、北イタリアで作られているチーズは牛乳製が多いです。(たまに山羊乳製もあります) アルプスの冷涼な気候が牛の飼育には適しているということもありますし、夏の間にはアルプスの山々に自生する美味しい牧草をたべることによって、良いミルクを出しておいしいチーズになるというわけです。

おいしい山のチーズがたくさんある中で、なぜかこのタレッジョはイタリアを代表する有名なチーズになりました。(タレッジョを作っている会社のプロモーションが良かったのでしょうか・・・) 有名なわりには派手さがまったくありませんが、奥の深い美味しさをゆっくりじっくりと味わってみてもらいたいです。


ブラ・ドゥーロ


「ブラ」というのは北イタリアのピエモンテ州にある町の名前。冬季オリンピックの開催地「トリノ」からほど近い小さな町です。「ブラ」の町はスローフード運動が起こった町でも有名です。毎年(あるいは隔年)この町中を会場にしてスローフードのお祭りが開催されます。チーズもスローフードを代表する食品だけあり、何年かに一回の割合でお祭りのテーマが「チーズ」になるくらいです。(ちなみに2005年の今年もチーズ祭りが9月に行われる)

この町を含む一体で昔から作られていたチーズが「ブラ」というチーズ。アルプスで作られていたチーズだけあり、大きくて固いタイプの保存性の高いチーズです。このチーズには2タイプのチーズが存在します。ひとつはセミハードタイプで弾力性のある「ブラ・テーネロ」。マイルドで食べやすくサンドウィッチに使ってもよい親しみやすいチーズです。そしてもう一つが今回ご紹介する「ブラ・ドゥーロ」。


「ブラ・ドゥーロ」は熟成期間を長くするため水分含有量が少なく固めに仕上がっています。そしてじっくりと熟成をした証のアミノ酸の結晶がところどころに見ることができます。噛むとじわっと旨みが広がるまさに「つまみ系」のチーズ。チーズを齧ってワインを一口、とどんどんワインが進んでしまう味です。

お酒のつまみに食べるほかには、スライサーで薄く削って(あるいは包丁で薄めにスライスして)サラダのトッピングにしてみてもいいですし、粉チーズがわりにパスタやスープに入れてみてもいいでしょう。


ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ


長ったらしいこの名前、しばしば「ブルー・ド・サスナージュ」と省略して呼ばれたりします。

真ん中に入っている「ベルコール」とは、このチーズの故郷のローヌアルプ地方にある「ベルコール山塊」の地名から来ています。この地方はアルプスの山もありますが、ベルコール山塊などアルプス山脈からは少し離れているところにも山地があり、アルプスの山のチーズ同様に冬の保存食として伝統的に作られてきました。

しかしながらブルー・ド・サスナージュは年々生産農家が減り絶滅寸前まで追い込まれました。ここ10年でこのチーズを復活させようと若い生産者が立ち上がり、見事復活を遂げAOCにも認定されました。

ブルーチーズとしてはちょっと固めでむっちりとしたセミハードタイプのようなチーズです。そして塩分や脂肪分も若干普通のブルーチーズに比べると少ないので、とても食べやすくてブルーチーズであることを忘れてしまいそうなくらいです。

ピリッとした舌を刺すような刺激がすくなく、食べた後にちょっとほろ苦さを感じ、ともすればクルミのようなナッティーな風味も味わえる限りなくセミハードに近いタイプのチーズです。

このまま食べてもおいしいのですが、チーズを細かく砕き生クリームで少しゆるめたペーストを、薄切りのバゲット(あるいは食パンでも)にのせてオーブントースターで軽く温めると、何とも風味豊かなカナッペができあがります。 生で食べるより、美味しいかも?!

生で、そして是非火も通して違った2種類の味わいをお楽しみください。



今月のワイン


2003 ピノ・ネロ・サルトネール(カルダーロ)
2003 Pinot Nero "SALTNER" Cantina Caldaro

生産地:イタリア,トレンティーノ・アルト=アディジェ州,アルト・アディジェDOC
生産者:カルダーロ社
品 種:ピノ・ネロ100%
価 格:3,200円(税込)

優良なピノ・ネロの畑より収穫,醗酵後,12ヶ月のバリック熟成。
チェリーの香りがかぐわしく,洗練されたタンニンと滑らかな飲み口がうれしい赤。本場ブルゴーニュにも肩を並べる1本。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲み頃がはじまっています。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管し てください。翌日飲む前に室温にならして(30分ぐらい前より食卓 に立てておく)お楽しみください。




2004 コッリオ・ピノ・グリージオ(ロンコ・ブランキス)
2004 Collio Pinot Grigio Azienda Agricola Ronco Blanchis

生産地:イタリア,フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州コッリオDOC
生産者:ロンコ・ブランキス
品 種:ピノ・グリージオ100%
価 格:2,500円(税込)

ロンコ・ブランキス社所有の畑は中世からの由緒あるものです。
近年大規模な設備投資がなされ,2003年よりすべてが一新されました。今後がたいへん楽しみなワイナリーです。
このピノ・グリージオはたいへん繊細でかつ透明感のあるきれいなワインに仕上がっています。アンティパストにピッタリな1本です。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲み頃が始まっています。
あまり冷やし過ぎないでください。10〜12℃ぐらいが適温です。
1日で飲みきれない場合は,冷蔵庫で保管してください。




2000 バルベーラ・ダルバ・ガブッティ(ルチアーノ・サンドローネ)
2000 Barbera d'Alba Gabutti CAPPELLANO

生産地:イタリア,ピエモンテ州バルベーラ・ダルバDOC
生産者:カッペッラーノ
品 種:バルベーラ100%
価 格:4,200円(税込)

100年以上の歴史を持つバローロ屈指の生産者カッペッラーノ。
このバルベーラは単一畑「ガブッティ」から造られ,凝縮度の高い優れたワインです。やはりこれも派手さはないのですが,飲み手をやさしくいやしてくれるような味わい深いピエモンテの赤です。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲み頃が始まっています。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。翌日飲む前に室温にならして(30分ぐらい前より食卓に立てておく)お楽しみください。







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