今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。 チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。 ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。 |
ガプロン |
出版されているチーズの本などでは「白カビタイプ」に分類されるこのチーズですが、カマンベールのような典型的な白カビのチーズに比べるとぜんぜん違う、とても個性的なチーズです。何が個性的って、チーズの中にニンニク、胡椒がはいっていて、白カビタイプのようななめらかさは全くありません。 ニンニクやハーブ、胡椒の入ったチーズはフレッシュタイプなんかにもよくあります。そういったチーズは比較的歴史の新しいチーズなのですが、このガプロンは昔からフランスのオーヴェルニュ地方という山深い土地で、バターを作った後の脂肪分の少ないミルクを利用して作った伝統的なチーズです。 普通のチーズよりは乳脂肪分が少ないタイプのチーズなのですが、コクのなさをスパイシーさがカバーしているような気がします。こういったニンニクなどを混ぜ込んだフレーバーが豊かなチーズというものは、私にとってはひと口ふた口は美味しいのですが、食べ続けるとだんだん辛さが気になってちょっと飽きがきてしまうもの。そしてこのガプロンも通常は一つが350gもある大きめのチーズなので、なかなか自分で買って食べるという機会がなかったのですが、今回は60gのミニサイズでお届けします。 ムチっとした食感、そしてぴりりと刺激的な味わい。 こういったスパイシーなチーズは、ワインよりもビールのほうが美味しいかもしれません。 |
フルール・ド・ビエール |
チーズの外皮を洗って熟成させる「ウオッシュタイプ」といわれるチーズです。匂いが強く、強烈な個性を持つタイプといわれていますが、洗う液体によって風味も微妙に変わってきます。 フルール・ド・ビエールの故郷はフランスのアルザス地方。アルザス地方といえばドイツと国境を接していてドイツ文化の影響を受けている地域。町並みもドイツ風、郷土料理もドイツ風、ワインの瓶もドイツ風の細長いもの・・・と、生活慣習などもドイツっぽいところです。ワインの産地でもありますが、ビールの消費もかなりのものです。 そんなアルザスには「マンステール」という超がつくくらい有名なウオッシュタイプのチーズが存在します。マンステールは塩水でチーズの表面を洗って仕上げたチーズですが、このフルール・ド・ビエールはマンステールと同じチーズをビールで洗って仕上げました。 ですからウオッシュタイプ独特のねばねばとして匂いの強い表面を見ただけではよく分からないのですが、カットしたものを口に入れてゆっくりと味わってみるとほのかにビール酵母の酵母菌の香りが口の中から鼻に抜けていくのが分かると思います。あぁ、なるほど、ビールで洗っているんだ・・・と、チーズの名が示すことに偽りはない!と確信できる瞬間です。 マンステール同様、チーズは見た目の印象よりはかなり優しくて食べやすい味です。しかも芳醇な濃いミルクの味わいが楽しめます。ビールはもちろんのこと、アルザス地方のワインとの相性も抜群です。 |
シメイ・クラシック |
「シメイ」といえば、ビール。ベルギーのフランスにかなり近い地方のシメイという街の修道院で作られ始めたというシメイビールはベルギーを代表する世界的なビールです。 そのビールと同じ名前のチーズがあるんですね。もちろん産地も同じ所、経営はトラピスト修道院です。ベルギーのチーズというのは日本ではまだまだ珍しいのですが、フランスとオランダに挟まれていることもありチーズは非常に馴染みやすい物ばかりです。シメイはフランスでも北フランスのチーズに性格も形も似ています。 シメイチーズはいろいろなバージョンがあり、ソフトタイプ、ハードタイプ、表面をビールで洗ったもの・・・とまだ商品開発を試行錯誤しているそうです。しかし今回お届けのシメイ・クラシックはその中では「クラシック」というだけあり古参格です。元々は円盤形のチーズでしたが今は長方形の四角いカタチになっています。 表面は軽く洗ってあるのでやや固い乾いたオレンジ色の表皮をしています。チーズの中身はハシバミやピーナッツぽい香りもしてアイボリー色でムチっとした食感です。表面はジャリッとした歯触りがあり、チーズがムチっ・・・というのはまるでフランス人気ナンバーワンのルブロションやサンネクテールの感触です。だれからも「食べやすくて」とか「おいしい」とか好かれるタイプのチーズ。 小さなお子さんからお年寄りまでウケがいいこと請け合い。 さて今回は是非シメイビールと合わせて食べてみましょう! |
今月のワイン |
2000 ピノ・ノワール(ジェラール・シュレール) 2000 Pinot Noir Lot#012 domaine Gerard Schueller 生産地:フランス,アルザス地方ユスラン・レ・シャトー村アルザス・ピノ・ノワールAOC 生産者:ジェラール・シュレール 品 種:ピノ・ノワール100% 価 格:3,000円(税別) 「ジェラール・シュレール」は,アルザスの小さな宝石のような ドメーヌです。所有する畑はわずか7ha,年間生産量は5万本弱です (かのシャトー・マルゴーは87haで生産量は40万本)。そのうち1ha がピノ・ノワールの区画です。 アルザスのピノ・ノワールと聞いて,ほとんどの方は色の淡い, たよりない味わいのものをイメージされると思いますが,このワイ ンはよい意味で裏切られます。独特のミントの風味と充実感のある 味わいは「アルザスのピノ・ノワール」を超えたものです。 日本には180本のみの入荷となっております。 ぜひこの機会にお試しください。 ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ) 飲み頃です。できるだけ開栓後3時間以内に飲みきってください。 また開栓前の保管は必ず冷蔵庫の野菜室でお願いします。 もちろん,室温に慣らしてからお召し上がりください。 1999 リースリングQbA(シュロス・リーザー) 1999 Riesling Q.b.A. Weingut Schloss Lieser 生産地:ドイツ,モーゼル・ザール・ルーヴァー地方ベルンカステル地区リーゼル村QbA 生産者:シュロス・リーザー醸造所 品 種:リースリング100% 価 格:1,600円(税別) 「シュロス・リーザー醸造所」の醸造家は,なんとモーゼル最高 の生産者のひとりフリッツ・ハーク氏の長男トーマス・ハーク氏な のです。彼が手がけた1992年以来,評価がぐんぐんと上がっていま す。 このワインはそんな醸造所のいくつかの畑のぶどうをブレンドし て造られた1本です。味わいは,リースリングの華やかな香りがう れしいほんのり辛口の仕上がりです。和食にもガンガン合わせたい ワインです。 モーゼル最良の入門ワインと言えるでしょう。 ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ) もちろん飲み頃です。開けて即おいしいです。 チョット冷たいかな程度(約10〜12℃)で飲んでいただくと最適です。 また1日で飲みきれない場合は,栓をして冷蔵庫で保管してください。 シメイ・レッド,シメイ・ホワイト,2001 シメイ・ブルー 各2本,あわせて6本とシメイ純正グラス1個セット CHIMAY Red, CHIMAY White, 2001 CHIMAY Blue each 2bottles, and a "CHIMAY" glass 生産地:ベルギー,フォージュ村 生産者:スクールモン修道院 品 種:麦芽,ホップ 価 格:3,000円(税別) 中世より修道院はビール醸造の中心でした。ベルギーの「シメイ」 は特に名高く「ビール王国」ベルギーの象徴です。 上面醗酵させたビールは,瓶詰め直前に加える新鮮な酵母の働き で,瓶内で熟成されて,豊潤な香りとコクが備わっています。自然 な「生」を楽しんでいただくため,シメイでは殺菌はおろか,ろ過 もしません。 1.レッド:シメイの元祖。アルコール度数7%。赤みがかった茶色のこのビールは,完成された円熟の味とコク,カシスの香りが特徴です。 ※10〜12℃でご賞味ください。 2.ホワイト:アルコール度数8%。ややオレンジがかった茶色で,アロマの効いたホップをふんだんに使用しており,やや苦味を帯びた鋭敏なドライさが特徴です。 ※6〜8℃でご賞味ください。 3.ブルー:アルコール度数8%。2001年のヴィンテージ入り。濃いルビー色の濃厚なボディとハーブの効いたフルーティーな味と香りのバランスが特徴です。最高級のビールです。 ※10〜12℃でご賞味ください。 |