チーズのよりやさしいご説明

今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。
チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。

ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。

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クレッツェンツァ


まるでヨーグルトムースのような爽やかなフレッシュタイプのチーズです。

チーズの包みを開けてみると「つるんっ」とした真っ白なチーズが登場します。これがチーズなんだろうか?と疑ってしまうくらいお菓子っぽい姿をしています。ちょうど真っ白いういろうのような、はたまたごま豆腐のような・・・。

味のほうもお菓子っぽいです。砂糖が入っているわけではないので甘くはありませんが、ヨーグルトムース、もしくは甘くないレアチーズケーキと言ったところでしょうか。長方形の形をしていますからそのまま3〜4等分に切り分けて、ガラス製のお皿にでも盛りつければ即席のデザートにでもなりそうです。

クレッツェンツァの名前の由来はラテン語の「フォカッチャ」。フォカッチャとはイタリアのパンの名前ですよね。お座布団みたい枕みたいな分厚いピザ生地のような、あのパンです。チーズが暑いところではパンの発酵時のように膨らむことから、このような名前が付いたそうです。

夏場には常温に置いておくと危険そうですね。
冷蔵庫で冷やしておいて(このチーズに限っては普通の冷蔵室で)、食べる直前に食卓に出し、ジャムか何かを添えて召し上がってみてください。


タレッジョ


チーズの外皮を洗って熟成させる「ウオッシュタイプ」といわれるチーズです。匂いが強く、強烈な個性を持つタイプといわれていますが、タレッジョはそれほどではありません。むしろ穏やかな風味でミルクの甘みが充分に堪能できる優しいチーズです。

ひとつが5キロもあるチーズを100gにカットしてお届けします。外皮は淡いオレンジ色、中身は薄いアイボリー色でかなり柔らかいです。匂いはそれほど個性的ではないのですが、どことなく田舎っぽいです。(私は麦わらの香りを連想してしまう) 牛乳で作るチーズでチーズ自体の味もそれほどクセがありません。コクがとてもあるわけでもないし、サッパリと爽やかな感じでもないのですが、主張がそんなに激しくない大人しいチーズ。毎日食べても飽きない、でもじわっと美味しい、滋味溢れる素朴系チーズです。

そんな素朴な感じのタレッジョは北イタリアのロンバルディア州というアルプス山脈のふもとの谷間で作られているチーズです。(今は平野部の工場製がほとんどですが) イタリアにも500種類を越えるチーズが存在すると言われていますが、北イタリアで作られているチーズは牛乳製が多いです。(たまに山羊乳製もあります) アルプスの冷涼な気候が牛の飼育には適しているということもありますし、夏の間にはアルプスの山々に自生する美味しい牧草をたべることによって、良いミルクを出しておいしいチーズになるというわけです。

おいしい山のチーズがたくさんある中で、なぜかこのタレッジョはイタリアを代表する有名なチーズになりました。(タレッジョを作っている会社のプロモーションが良かったのでしょうか・・・) 有名なわりには派手さがまったくありませんが、奥の深い美味しさをゆっくりじっくりと味わってみてもらいたいです。


モンターズィオ


イタリアの北部はアルプス山脈が横たわり、西からフランス〜スイス〜東はオーストリアに接しています。それら北部地域では昔から伝統的にハードタイプのチーズが作られてきました。これらのチーズを総称して「山のチーズ」とも呼んだりします。

山岳地帯は夏には自生の良質な牧草があり、冬は雪に閉ざされてしまうため夏に取れたミルクでチーズを作り冬の保存食として大きく固いチーズを作っていました。
モンターズィオもオーストリア国境付近の山岳地帯で13世紀という古い時代から製造が始まっていたそうです。

チーズは数ヶ月の熟成を経て食卓に上るのですが、日本に入ってきているものは日本人が好むこともあり熟成期間が1年くらいのもので、かなりミルクの中のタンパク質がアミノ酸に変化して、旨み成分に変わっているチーズだそうです。
確かに食べてみると味の濃さやコクが素晴らしいです。あっさり味というよりはしっかりと味の調ったチーズでゆっくりと噛みしめて食べたい・・・という感じです。

このチーズが作られるオーストリア国境付近のフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はワインもフランスやドイツの品種のものをたくさん作っています。今回もシャルドネ種のワインをご紹介しているわけですが、きっと日本人が知っている陽気で明るいラテン系のイタリアというよりはしっとりとした雰囲気のあると土地なのでは?と想像しています。

チーズの味もしっとりと落ち着きのある奥深い味わいです。



今月のワイン


1998 モレッリーノ・ディ・スカンサーノ・リゼルヴァ(モリス・ファームズ)
1998 Morellino di Scansano Riserva Moris Farms

生産地:イタリア,トスカーナ州グロッセート県スカンサーノ村モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOC
生産者:モリス・ファームズ
品 種:サンジョヴェーゼ100%
価 格:3,400円(税別)

「モレッリーノ」とはサンジョヴェーゼ種の別称です。というこ とはモレッリーノ・ディ・スカンサーノとはトスカーナ南部スカン サーノ村(を中心とした地域)で造られる「キャンティ」ワインと 言うことができるでしょう。
 醸造を担当しているのは,著名なエノロジスト,アッティリオ・ パーリ氏。彼はマルケ州の優良ワイナリーの「レ・テラッツェ」に も関わっています。その実力は「サッシ・ネリ」でゆうこクラブの メンバーの方もよくご存知と思います。このワインはサンジョヴェ ーゼ種の旨みが良く出た,シルキーなのどごしの赤に仕上がってい ます。
 なお「リゼルヴァ」とは2年以上の熟成を経たものに関して表示 することができます。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲み頃が始まっています。飲まれる30分前に開栓してください。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。翌日飲む前に室温にならして(30分ぐらい前より食卓に立てておく)お楽しみください。




2000 オルヴィエート・クラッシコ・スペリオーレ(パラツォーネ)
2000 Orvieto Classico Superiore Azienda Agricola Palazzone

生産地:イタリア,ウンブリア州オルヴィエート・クラッシコDOC
生産者:パラツォーネ
品 種:プロカニコ,ヴェルデロ,グレチェット,マルヴァジア,ドゥルペッジオ
価 格:1,500円(税別)

「オルヴィエート」と聞いて,サッパリした水のような白ワイン を想像される方も多いと思います。それはヴェネト州の「ソアヴェ」 と同様に過剰生産の成れの果てなのです。ところが,このパラツォ ーネのオルヴィエートは,他のものとは全く違います。年間生産量 も3万本とこのクラスのワインとしては異例の少量生産です。
とくに2000年ヴィンテージはすさまじい果実の凝縮度を感じます。 とにかく飲んでいただければ,その素晴らしさを実感していただけ ると思います。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

もちろん飲み頃です。開けて即おいしいです。
チョット冷たいかな程度(約10〜12℃)で飲んでいただくと最適です。1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。


2000 リス(リス・ネリス)
2000 Lis Azienda Agricola Lis Neris

生産地:イタリア,フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ヴェネツィア・ジュリアIGT
生産者:リス・ネリス社
品 種:シャルドネ,ピノ・グリージオ,ソーヴィニョン・ブラン
価 格:4,800円(税別)

イタリアにおいて優良な白ワイン産地として有名な“フリウリ” からの1本です。
1990年代より現オーナーのアルヴァロ・ペコラーリ氏はぶどう畑 と醸造設備を刷新しました。それ以降リス・ネリス産ワインの評価 はうなぎのぼりです。この「リス」は,新樽の強いニュアンスを避 けるため,あえて500リットルの大樽で熟成させています。そのため, きれいな果実の旨みを引きだすことに成功しています。
まさにイタリアン・モダン・スタイルの典型のような白です。
このマニア垂涎の「リス」をこの機会にぜひどうぞ。

ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲み頃が始まっています。開けて即おいしいです。
チョット冷たいかな程度(約10〜12℃)で飲んでいただくと最適 です。また1日で飲みきれない場合は,栓をして冷蔵庫で保管してくだ さい。




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