チーズのよりやさしいご説明

今月取り上げるチーズとワインをよりやさしくご説明をいたします。
チーズの詳しいプロフィールとかは「ゆうこのピックアップの該当ページ」をご参照ください。

ここでは実際に食べるときに即して、わかりやすく書いてみたいと思っています。

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カチョカヴァッロ


南イタリアで作られる牛乳製のセミハードタイプのチーズです。

瓢箪型でくびれの部分を縄で縛って吊して熟成をさせます。ひとつの大きさがこぶし大のものから、顔以上の大きなものまで大きさは様々。15日くらいの熟成から長いものは2年も熟成をさせたものまで、熟成期間もまちまちです。

表面は自然にできたつるんとした外皮でワックスを塗っているのかな?というほどツヤがありますが、そうではないので食べられます。(注:よくワックスのかかったセミハードタイプのチーズがありますが、もちろんワックスは食べられません。取り除いて食べましょう。)

熟成のまだ進んでいない若いものは塩気はほとんど感じられなく、ミルクキャンディーのような甘さをほのかに感じることができます。そのミルキーさがたまらなくおいしく、いくらでもムシャムシャと食べられそうなあっさり味です。

熟成が進み、数ヶ月から1年もたったものはだんだんチーズの味も濃くなり、塩気も強く感じられるように変化してきます。それはチーズの中のタンパク質が微生物によって旨み成分に変化することと、水分が抜けてきて塩分が際立ってくるためです。噛めば噛むほど美味しさが滲み出るような、そんなチーズに時間と共に徐々に変化していくのです。

イタリアでは固くなるまで熟成させたものは、ナイフで切って食べないでおろし金などでチーズを削って粉にして、それを調味料としてパスタにかけたりスープに入れたりします。しかし日本で手に入るカチョカヴァロはそこまで固くなっているものはほとんどありません。

今回お届けするものは適当に熟成が進んで旨みが出てきているころのものです。そのままスライスして食べるも良し、網焼きやカツレツに料理をして食べることもオススメです。


フルール・デュ・マキ


「マキに咲く花」という意味の、フランスのコルシカ島で作られる羊乳のチーズです。

羊の出産が12月頃。搾乳時期は1月からがピークです。そんなミルクで作られるチーズです。羊のミルクは乳脂肪分が牛乳よりはやや多いため、こっくりとした味わいが特徴。羊の肉には匂いがあると、苦手意識を持っている人も多いですが、羊の乳の方はそれほどクセがありません。

コルシカ島といえばフランス革命の勇者「ナポレオン」の出身地。地中海に浮かぶこの島では牛ではなく羊の飼育がほとんどです。その羊のミルクから作ったチーズのまわりに南仏を彷彿とさせるハーブ、ローズマリーやサリエットなどをまぶし、上に唐辛子や黒胡椒、セージをまるで花のように飾っている、見た目がちょっと変わったチーズです。

ハーブの香りがチーズにしっかりと移っています。チーズはナイフを入れると白くてしっとりとして、意外とサッパリとした味わいです。食べるときにはまわりのハーブはちゃんと取りのぞいて食べましょう。かなりダイナミックに、しかも乾燥しているハーブは口の中に入れるとモソモソしてしまいチーズの食感や味を損ないます。

羊のチーズはこれからが食べ頃。熟成タイプは夏から秋にかけて、熟成させないタイプはこれからが旬になります。地中海に浮かぶフランス最大のコルシカ島の旬のチーズをぜひ試してみてください。


エーデル・ド・クレロン


とってもトロトロでクリーミーなチーズです。

フランスはスイスと隣接するフランシュ・コンテ地方(アルプスの山麓)で作られる比較的歴史は新しいウオッシュタイプのチーズです。

ウオッシュタイプとはチーズを熟成させるときに塩水などで洗い、まわりにリネンス菌という細菌を繁殖させることにより、薄オレンジ色でベタベタとした湿っぽさがチーズの表面を覆います。このベタベタはあの納豆菌と通じるものがあります。納豆菌と同様に、リネンス菌がチーズのタンパク質を美味しい成分に変化させているのです。

匂いもかなり個性的で、お漬物のようなひねた香りが特徴です。はっきり言って「臭い」匂い。でも匂いのわりには味は優しいので、匂いで「うっ」っと来たら鼻をつまんで食べてみてください。芳醇なミルクのコクが口中に広がるでしょう。

でも、エーデル・ド・クレロンはそれほど強烈な匂いはありません。どちらかといえば穏やかなウオッシュタイプですのでクセのあるチーズはちょっと苦手とおっしゃる方にも大丈夫でしょう。トロトロと流れ出しそうなチーズをバゲットやクラッカーですくって召し上がってください。なめらかで食べやすい、そしてまろやかなチーズの味が楽しめます。

チーズを「エセピア」という種類の樅の木の枠でくるんでいるので、チーズにもこの木の香りが移りどこかしら香ばしさも感じられるということです。あの冬季限定の「モンドール」というチーズもこの地方で作られています。エーデル・ド・クレロンは「モンドール」というチーズを意識して作られた、そして1年中楽しめるチーズとして誕生したようです。

赤ワインはもちろん、コクのある白ワインで合わせてじっくりとお楽しみください。



今月のワイン


1999コスティエール・ド・ニーム(エステザルグ)
1999Costieres de Nimes Estezargues

生産地:フランス,ラングドック・ルーション地方 コスティエール・ド・ニームAOC
生産者:エステザルグ
品 種:シラー70%,グルナッシュ30%
価 格:1,680円(税別)

南フランスのガール県の県庁所在地,ニーム周辺で産する赤ワイン。フレッシュで豊かな果実味としっかりした味わいはノンフィルター(濾過せずに瓶詰すること)ならではのもの。
年間1,000ケースとこのクラスのワインとしてはたいへん少ない生産量。また「エステザルグ」とは10人の優秀な造り手からなるフランス最小の協同組合。ラベルの楽しい絵はエステザルグの子供たちの手によるもの。


ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

飲まれる30分程度前に開栓してください。
この季節は結構ワインボトルが冷えきっている場合が多いです。グラスに注いだ後,少し(30秒ぐらい?)てのひらで温めてから飲んでみてください。
また1日で飲みきれない場合は,コルク栓をして冷蔵庫で保管してください。翌日飲む前に室温にならして(1時間ぐらい前より食卓に立てておく)お楽しみください。


1999アルクーミ・ソーヴィニョン・ブラン
1999Alkoomi Sauvignon Blanc

生産地:オーストラリア,西オーストラリア州フランクランドリヴァー
生産者:アルクーミ社
品 種:ソーヴィニョン・ブラン100%
価 格:1,980円(税別)

社名の「アルクーミ」とはオーストラリア原住民のアボリジニの言葉で「われらが選びし土地」という意味。
シャープな酸味とグレープフルーツの風味がバランス良く共存している。ソーヴィニョン・ブランという品種は全世界(もちろんオーストラリアでも)で大量に栽培されているが,このアルクーミのものは出色の出来。


ワインの美味しい楽しみ方(飲むときのコツ)

 もちろん飲み頃です。開けて即おいしいです。
チョット冷たいかな程度(約10〜12℃)で飲んでいただくとGOODです。
1日で飲みきれない場合は,冷蔵庫で保管してください。





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