ワイン発展途上日記にようこそ! 97年3月〜4


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4月26日(土)

Poupille1992(プピーユ)
六甲アイランドのチーズ屋さん「ジェリス・デリ」主催の「チーズ&ワイン会」で3500円で。 1990年のブラインドテイスティング大会とやらで「ペトリュス」と最後まで争ったというワインらしい。タンニンが多いが、木のうっそうと繁った森林の落ち葉が沢山積もっている土の温かさみたいなものを感じることのできるワインだった。言い換えれば分厚い毛布みたいな。(yuko)

Chateau Cheval-Blanc 1992(シャトー・シュバル・ブラン)
サンテミリオンの有名シャトー。カベルネ・フランの割合が多いと言われてもその違いを嗅ぎ分ける能力はまだない。豊かなコク、強いアタックは見事だったが余韻は短く、次に飲んだオーブリオンの露払いとなってしまった。ニューヨークのワインバー「Divine Bar」で岡田さん、荒木さんと。グラス。なおこれと下のふたつをグラスで味わうコースでしめて26ドル。これは安い。安すぎる。(satonao)

Chateau Haut-Brion 1983(シャトー・オーブリオン)
上品で人当たりの良いところは相変わらず。でも奥の深さは見事だ。保存が悪いのかここでは味は平たく、ちょっとハテナだった。この次に見事な「オーパスワン」を飲んでしまったので特にそう感じてしまったようだ。ニューヨークのワインバー「Divine Bar」で岡田さん、荒木さんと。グラス。(satonao)

Opus One 1993(オーパス・ワン)
上の大有名2シャトーを向こうに回してひけをとらないどころか完勝してしまったこのカリフォルニアのカベルネは、きっぱりした性格の持ち主で人当たりは悪い。が、一度その眼をのぞきこんじゃうともう離れられない、そんな「誰がために鐘は鳴る」のイングリッド・バーグマンみたいな奴だ。アタックが強く口の中でひとしきり暴れるが、喉ごしは柔らかく余韻も長い。熟成が進めばよりまぁるく落ち着きを見せるだろう。Robert MondaviとBaronne Phillippine de Rothschildの共同製作だけあって野心が舌にも感じられる凄味がある。ニューヨークのワインバー「Divine Bar」で岡田さん、荒木さんと。グラス。(satonao)

4月25日(金)

Pouilly-Fume1994/Chateau de Tracy(プイィ・フュメ/シャトー・ドゥー・トラシー)
1月にしたチーズの会でも飲んだ白ワイン。フルーティーで軽快なだけのワインでなく、コクや繊細さ、そしてブドウの果実の甘さも十分感じられる。冷やしすぎたため最初は香りがたたなかったが徐々にブドウの果実そのものの香りがしてきた。一緒に飲んだまつきちさんの感想は「ブドウの種のまわりの果肉の味がする」。(yuko)

4月25日(金)

Chatour le loup 1990/(シャトー・ル・ルー)
サンテミリオンの赤。華やかだが平たい香りでなんとも面白みがない。メルロー種の香りがかなりしたが時間が経っても味は深みを見せずがっかり。イマイチでした。ニューヨークのブラッセリー「Les Halles」で阿部さんと。(satonao)

4月23日(水)

Coteaux d'Aix-en-Provence les Baux1992/Domaine de Trevallon(コトー・デクサン・プロヴァンス・レ・ボー/ドメーヌ・ドゥ・トレヴァロン)
プロヴァンスのワインは多分はじめて。カベルネ・ソーヴィニョンとシラーのブレンドワインと聞いて驚いた。どれくらいの割合なのかはわからないが、シラーの味が突出しているのかとおそるおそる飲むと、意外にも香りも味もカベルネが強くシラーの影も形も感じられなかった。ずいぶん神経を尖らせて味わったら香りの奥の方でスパイス臭を感じることができた。南仏のワインということで力強く飲みごたえがあるだけでなく、厚みもあって繊細さも兼ね備えたおいしいワインだった。本間さん、福田さん、田中さんとビストロボンボンで。(yuko)

4月16日(水)

Gigondas 1992/E.Guigal(ジゴンダス/ギガル)
コート・デュ・ローヌでもずいぶん南に位置する。グルナッシュやシラーなどいかにも「濃いぞ」というブドウ品種で作られている。一口目、鉄分の味がした。まるで血を舐めているような。そしてプルーンやブラックベリーを煮詰めたような味もした。このワインを飲んでいると貧血予防になりそう…というような妄想をいだいてしまいそう。かなり雑味があり納豆にも負けないほどの癖があった。(yuko)

4月10日(金)

Chateau Cos-d'Estourner1992/(シャトー・コス・デストゥルネル)
サンテステフの赤。インクのように凝縮した濃い香り。スパイス臭こそないがローヌの北部のワイン(コート・ロティやクローズ・エルミタージュ)のように果実が凝縮したような濃厚な香りがした。味も力強いのだが、やや酸味や渋みがまだ抜け切らない固い感じがした。でも大変味に厚みのあるワインでもっと熟成したものはいったいどんな風に柔らかく変化するのか、是非飲んでみたい。(yuko)

4月9日(木)

Chablis 1er Cru Vaillon 1990/Vocoret & Fils(シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨン/ヴォコレ)
典型的シャブリの味わい。鉱物系の香りの奥にハニー香とナッツ香が広がり、独特の地平を築く。わりと引き際のさっぱり感がなかった。五反田のフレンチレストラン「ヌ・キテ・パ」にて。田中夫妻と。(satonao)

4月8日(火)

Meursault Perrieres1994/Louis Latour(ムルソー・ペリエール/ルイ・ラトゥール)
ムルソーとはいえピュルニー・モンラッシェのすぐ隣の畑ゆえか、ピュルニーぽいさっぱり感があっておいしい。ムルソーのグラマラスな感じとピュルニーの清潔感が相まった非常に印象深い白。ナッツ香とハニー香が素晴らしい。西麻布「ツバキ」にてグラスで。桑田さんと。(satonao)

Chateau Canon 1987/(シャトー・キャノン)
サンテミリオンの赤。むせ返るくらいの土の香り。奥床しいアタック。長い余韻。おいしい。メルローのしっとり感がよく出た味。腰もどっしり。ヴォリュームたっぷり。かなりうまい。西麻布「ツバキ」にてマグナム(抜栓後1時間くらい)をグラスで。桑田さんと。(satonao)

Chateau d'Yquem 1989/(シャトー・ディケム)
有名すぎる貴腐ワイン。オレンジとプラムの濃厚な香りと甘みなのに、引き際がさっぱりしていて驚異的。このコクとさっぱり感の競演はいままで経験したことのないもの。やっぱり定評あるものはそれなりに力があることを再確認。西麻布「ツバキ」にてグラスで。桑田さんと。なお一緒に合わせたフォアグラのポート煮はポートの香りが強すぎてディケムが活きなかった。単なるソテとかの方が合うと思う。(satonao)

Charmes-Chambertin 1993/Domaine A. Rousseau(シャルム・シャンベルタン/アーマン・ルソー)
イケムの後にこれを出してくるのはいただけない。せっかくの素晴らしい赤なのに酸味がめちゃくちゃ立って感じられる。若いし。これは店側のミスですね。シイタケと濡れた髪の毛の香りが秀逸ではあったのだが。西麻布「ツバキ」にてグラスで。桑田さんと。(satonao)

4月3日(木)

奥沢の「えん」というワイン・レストランで稲岡夫妻そしてインターネットワイン界の超有名人・吉田裕一さんと飲みました。

Chablis 1er Cru Fourcheume 1993/Chateau de Maligny(シャブリ・プルミエクリュ・フルショーム/シャトー・ド・マリニー)
「シャブリと思えない味ですよ」と店の人に言われて飲んだが、シャブリだった(当たり前か)。舌を突き刺す独特の酸味と、平たく広がる石灰質の舌触り。飲み始めはブラインドならサンセールと言ってしまいそうなくらいだったが、時間を置いたらシャルドネ特有のコクが出てきた。(satonao)
ずいぶん冷えて出てきたせいか最初の一口は香りが立たず、シャルドネの風味もなにもなかった。室温に近くなってくるとだんだん香りも開いて「シャブリ」の他何者でもないワインになった。同じフルショームでも2月にボンボンで飲んだ物の方が驚きがあったし、美味しかった。(yuko)

Santenay-Beauregard Premier Cru 1993 /Roger Belland(サントネィ・ボールガール/ロジェ・ベラン)
シャサーニュの南、サントネィAOCの赤。果実味豊かで粘り腰。おいしい。力強い後味が印象的。饐えたトリュフ香、濡れた犬のような香り。好み。(satonao)
きっちりと果実味があって奥行きもある素敵なワイン。ピノノワールの華やかな香りはするが、このところブルゴーニュのフルボディーのワインでよく感じる「動物的な臭さ」はそれほど強烈にしてこない。そこが何ともお上品な感じ。でも飲みごたえ、満足感は充分。(yuko)

Chateau La Gaffeliere 1986/(シャトー・ラ・ガフリエール)
サンテミリオンのグランクリュ。メルロー65%の赤。いやいやうまい。香り豊かで何時間でも嗅いでいたくなる。深く掘った土の中で黒スグリを齧っているような感じ。アタックは柔らかく余韻は長い。こういうメルローと熟成したピノ・ノワールの味の違いを区別できない。もう少し経験が必要だ。(satonao)
久々に出会った「幸せ」を感じる香り。香りは霧雨の中の湿った草や土から連想するかび臭い感じや、熟れた果実の香り。舌触りは柔らかで一口含むとまあるく味が口中に広がる感じ。ざらっとした違和感が全くなく、フルオーケストラというよりは弦楽器だけの小編成のオーケストラが奏でる音といった感じがした。(yuko)

Gevrey-Chambertin 1er Cru 1990 /Louis Trapet(ジュヴレイ・シャンベルタン/ルイ・トラペ)
香り豊かでそれなりにおいしいのだが「Chateau La Gaffeliere 1986」の後では少し可哀想だった。まだピークを迎えていない。酸味が残って余韻を邪魔する。ちょっと火薬香を感じた。若々しいアタックだった。(satonao)
もうかなり飲んでいたのではっきりとしたイメージが残っていない。ただ、ボルドーのワインに比べてやはりブルゴーニュ、それもジュヴレイ・シャンベルタンクラスになると鼻と舌に感じるアタックは強いなと思った。それってまだこのワインが未成熟なためだからなのかしら?(yuko)

4月2日(水)

Montes Merlot1996/(モンテス・メルロー)
チリはクリコの赤。メルロー種で作ってある。1996じゃちょっと…と思いつつ安かったので好奇心で買ってみた。一言、まずかった。吹いているわけではないのに苦く、平たく後味も最悪。これはまいった。青山の紀伊国屋にて1030円。(satonao)
以前チリのカベルネ・ソーヴィニヨン種で作ったワインが思いのほか美味しかったので、今回も期待をしていたのだが…。はっきり言ってワインの味がしなかった。翌日のメニューはこのワインを料理酒にビーフシチューとその時点で決まってしまった。(yuko)

3月30日(日)

Beaune 1er Cru 1991/Machard de Gramont(ボーヌ・プルミエ・クリュ/マシャール・ドゥ・グラモン)
ものの本によるとなかなかの造り手らしいのだが、このワインは感心はしなかった。若やいで新鮮ではあるが平たくて余韻が短い。ボジョレーに近い感じ。ただ腰付きはしっかりしている。新宿のレストラン「ポトフ」にて5800円。山田夫妻と。(satonao)
「軽めの赤を」というリクエストで出してもらった。確かに軽かった。華やかな香りはかすかにするが華やかというより果実っぽい感じが強かった。しかし香りの腰は決して力強くはない。味も果実みがあり爽やか。奥行きがなく単純な味だが、さっぱりとした飲み口はそれなりに楽しめた。(yuko)

Chateau Le Prieure 1989/(シャトー・ル・プリューレ)
サンテミリオンのグランクリュ。メルローの大人しさが悪い方に転がった印象。平たく深みがない。アタックも少なく香りも立ってこない。敢えて言えばバラのような華やかな香り。「ポトフ」にて7800円。山田夫妻と。(satonao)
はっきり言って取り柄の少ないワイン。味も香りも平板で飲んでいても楽しくない。時間が経つに連れての変化も全くなくつまらなかった。エチケットはわりとメルヘンチックでかわいかった。(yuko)

3月29日(土)

御厨さんが主催するワイン会に夫婦で参加しました。場所は赤坂の「ル・マエストロ・ポールボキューズ・トーキョー」。優子はお初のワインばかりで目を白黒させながら飲みました。

Cristal Brut1988/Louis Roederer(クリスタル/ルイ・ロデレール)
ヴィンテージ・シャンパーニュのマグナム。本によると「ロシア皇帝のために透明のボトルに詰められた最高級品」らしい。なるほど素晴らしい黄金色のそれは透明ボトルによく映える。甘いリンゴの香りが強く余韻も長い。(satonao)
グラスについだときから甘酸っぱい香りが漂った。香りから想像するよりは甘みが少なく酸味が勝っていた。ソムリエの坂井さんのコメントでは88年は89年に比べても、固めで酸が強く感じるとのこと。シャンパーニュでも微妙なニュアンスの違いが年によってあるものなんだと再確認。シャンパンの飲み比べもしてみたい。(yuko)

Auxey-Duresses 1989/Rene Gras-Boisson(オーセイ・デュレス/ルネ・グラ・ボワソン)
白のマグナム。なめらかでビロードのような舌触り・喉ごし。芳醇なナッツの香りに熟成による貴腐ブドウのようなコク。89年は今がピークみたいだ。これ以上コクが出ると前菜などほとんど負けるだろう。僕は星ひとつかなと思ったけど優子は違うみたい…(satonao)
ブルゴーニュ(シャルドネ)のマグナムも初めてなら、5年以上たったものも初めて(だと思う)。グラスにつがれてすぐの香りは、かなり熟成したチーズの残り香のような感じがした。しかし、すえたような樽の香りがして、味もはちみつや木ノ実のような風味が凝縮していると想像して飲んだが、思ったより軽やかだった。ムルソーやモンラッシェクラスになると熟成したときのコクの感じがうんと違うのかしら?(yuko)

Griotte-Chambertin 1976/Joseph Drouhin(グリオット・シャンベルタン/ドルーアン)
ジュブレイ・シャンベルタンのグランクリュ。奥床しく含羞のある香り。舌で探っていると奥から少しずつ芳醇さが立ち上がってくる。饐えた土蔵の香りとトリュフ香。アタックは弱いが余韻が長く素晴らしくおいしい。(satonao)
シャンベルタンの特級畑は初めて。「サクランボの香りがするワイン」とどこかの本に紹介されていたが、確かに力強い直線的な香りでなく優しげな香り。けれどピノ・ノアール種のワインで感じられる動物的な腐ったような香りも、その優しいサクランボのような香りの後ろから見え隠れするように感じられた。(yuko)

Chambertin Clos de Beze 1976/Joseph Drouhin(シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ/ドルーアン)
ジュブレイ・シャンベルタンのグランクリュ。ドルーアンの実力がいかんなく発揮されている気がする。饐えた土蔵香とトリュフ香に若やいだ果実香が加わって目が覚めるようだった。グリオット・シャンベルタンより華やかな性格。でもグリオットの孤独な感じの方が個人的には好きかも。(satonao)
前のグリオット・シャンベルタンに比べるとずいぶん動物的な香りが強くなり、香りの立ち方も力強かった。一週間前に飲んだ「ジュビレイ・シャンベルタン〜デュガ」のように「香りのパワー全開!!」の勢いはないものの、ロマンスグレーの熟年紳士のような「中年の魅力」のようなものを感じるワイン。私はグリオットより、こちらのワインの方が魅力的に思えた。(yuko)

Grands Echezeaux 1976/Joseph Drouhin(グラン・エシェゾー/ドルーアン)
ドルーアン1976年3連発のラスト。言わずと知れたヴォーヌ・ロマネのグランクリュ。前の二つに比べるとアタックが格段に違う。ものすごく粘り腰で後味も強い。濡れた犬の香りと土の香り。まだまだ若々しくあと10年後くらいに飲んでみたい感じ。(satonao)
香りの華やかさは3本のうちで一番。名前を意識しすぎて構えて飲んだためか、それともこのワインの実力なのか、(3本を比べて)同じピノ・ノワール種のワインでも一番香り味ともに洗練されていて上品だけれど、一番力強さ若々しさも持っていて格上だなと思った。76年のワインでもまだまだ枯れていなくて、80年代の物と言われてもわからないくらい力強いものばかりだった。これはマグナムだからなのかしら?(yuko)

Chateau Gilette 1962(シャトー・ジレット)
ソーテルヌの白。デザートに合わせる。高齢になるまで樽で貯蔵するという。高貴な甘みの中に樽香が強く香って独特の風味となっている。濃厚な甘味を期待した身にはちょっと物足りなく感じた。この風味なら食前酒でも面白いと思った。1962年ながらまだまだフレッシュ。(satonao)
デザートワイン初体験。残念ながら甘いという印象しか感じられなかった。(だってそれまでにさんざん飲んでいるので、すっかり酔っ払っていた)しかし想像していたより後味がさっぱりしているなと思った。(yuko)

3月27日(木)

Chateau Haut-Brion1992(シャトー・オー・ブリオン)
普通の夕食に「オー・ブリオン」開けるなんて贅沢な!でもでも買ってしまったからにはすぐ飲みたくなってしまって…伊藤さんによれば92は飲み頃だっていうし…しかしあぁ贅沢。
アタックは少なからずあるのだが後味はあくまでも柔らかくまろやか。甘いとさえ言えるふくよかさ。黒スグリに湿った草むらの香りが重なって陶然となる。オー・ブリオンと思って飲んだら美味しいに決まっているからそう思わず飲もう、どこかまずさを見つけてやろう、なんて思っていたけどこれはすごくうまいワインだ。カベルネとは思えないまろやかさ。メルローっぽい。いくらでも飲める。芦屋のおだ酒店にて8500円。(satonao)
92年のものだというのに角が全くなくまろやかなのみくち。それでいて単純でなく複雑にいろんな要素も舌先に感じた。うまく表現できないけれど、パイプオルガンでドミナントの和音を「どわーん」と弾いたときの響きのような、またはフルオーケストラの音の厚みのような、調和のとれ方のスケールが他のワインとはかなり違った。 (yuko)

3月23日(日)

赤ワイン用5大ブドウ品種の飲み比べの会をしました。細谷志朗さん、伊藤友泰さん、山田定美さん、佐藤夫婦。

Morgon1993/Domaine Savoye(モルゴン/ピエール・サボイ)
まず、ガメイ種。「ガメイで93年はもう古い」ということでわりとしっかりした造り手の長持ちするワインを選んでもらったせいだろうか、ちょっと嗅ぎにはピノみたいな深さがあった。イチゴジャムの甘ったるい香りに柔らかいバラの香り。美味しいボジョレーだった。ラベルにCuvee Special Fut De Cheneとある。特別選定のブドウで造ったのかな。(satonao)
最初の一口目花のような香りがして、想像していたイチゴのような甘酸っぱさがまるで感じられなかった。しかし二口目、三口目と飲んでいくうちに「ガメイの味」みたいな味が出てきた。「ボージョレーは早飲みに限る」とのことだから、93年はもうくたびれかけているのだろうか? 最初はよかったが、1時間後には香りも衰え味も薄っぺらい感じがした。(それか次々に素晴らしいワインを開けたので、見劣りをしたのだろうか?)(yuko)

Mondot1993/(モンド)
次はメルロー。シャトー・トロロン・モンドのセカンドワイン。アタックが弱く柔らかすぎるくらい柔らかい。穏やかな饐え方をしていて奥床しいサンテミリオン。深い森の中にぽっかり開いたひだまりにいるようだった。(satonao)
柔らかい。優しい。「このワイン、まだまだ熟成できるのかしら?」と思うほど、角がなくしなやかだった。(yuko)

Gevrey-Chambertin1993/Claude Dugat(ジュブレ・シャンベルタン/クロード・デュガ)
ピノ・ノワール種。強烈なアタックと長い余韻を持つ。豊かでどっしりしていて見事。なめし革と下草の間のような香り。フランボワーズ、イチジク、木(杉っぽい)の香りもする。とてもおいしい。メルローの後なので特に力強く感じた。この造り手はめったに手に入らないらしい。すごい。(satonao)
この香りはすごい。グラスから香りが吹き出すようだ。華やかな香りからはフルーツや植物、そして動物的な香りもしてくる。味にも奥行きがあり、また様々な要素が感じられ、複雑だが調和もとれている。そして何よりこの力強さに脱帽。(yuko)

Crozes-Hermitage1993/Louis Belle(クローズ・エルミタージュ/ルイ・ベル)
あまりにすごいピノを飲んだ後なのでちょっと可哀想なシラー種。期待されたスパイシーな力強さはなく底の浅さを露呈させてしまった。独特のヨード香と紅色。何とも言えず下品に感じるのは順番のせいでしょう。雑味が強い。(satonao)
シラーの胡椒のような感じがなんだか粉っぽく感じた。というかあまりブルーベリーを煮詰めて作ったジャムのような香りや味が感じられなかったので、ただ雑な荒れたワインといった印象があった。もう少し果実の凝縮感が感じられたらなぁ…。他の品種、それも素晴らしいワインと飲み比べてしまったため、このワインだけ異種的な感じがした。(yuko)

Chateau Mouton Rothchild1992(シャトー・ムートン・ロートシルト)
カベルネ・ソービニヨン。さすがに香り立つ。強烈なアタック。さきおとついに飲んだときに感じた酸味はあまりなかった上にコクはこちらの方が上。91より92の方が良さそう。湿った苔の香りをベースに黒スグリ、イチゴの香り。根アカなメルローといった感じ。ピノより優しく洗練されてはいる。はすっぱなシラーや尻軽なガメイの血も少し入っている感じ。う〜ん、今の僕の力では比較表現が出来ない…(satonao)
あの「ムートン」初体験。期待に胸が膨らんでいたが、感動は得られなかった。しかし中を焦がした樽を使うということだけあって、樽香に独特な香ばしさがある。そしてまだまだ未成熟ながらも素晴らしいコクが感じられる。もう少し年季が入って全体に柔らかさが増したなら、喉をビロードのように滑って落ちて行く感じが体験できるのではないだろうか。(yuko)

3月22日(土)

Rully Rouge1994/Louis Jadot(リュリー/ルイ・ジャド)
若々しく果実味溢れる赤。飲みやすい。フランボワーズの香りにちょっとヨード臭。でも抜栓から30分後にはヨード臭は抜けた。かわりに下草っぽい饐えた香り。京都のフレンチレストラン「レ・シャンドール」にて吉田浩さんと。5600円。(satonao)

Chateau Beau-Sejour Becot1983/(シャトー・ボー・セジュール・ベコ)
サン・ジュリアンの赤。アタックがまるでないくらいの柔らかさ。香りも弱く、力ないワインの印象。レストランのお勧めだったがハズレ。帰って調べたら1985年に格下げになったプルミエ・グラン・クリュだった。83年なんて格下げの直前。一番悪い状態の頃だろうか。はめられたかな……京都のフレンチレストラン「レ・シャンドール」にて吉田浩さんと。8500円。(satonao)

3月20日(木)

中村氏の家で池田氏の誕生年ワインを飲む会に参加。ご馳走さまでした。(with藤田氏)

Salon Blanc de Blancs1982/(サロン・ブラン・ド・ブラン)
まずシャンパーニュ。黄金色の印象を裏切る辛口。泡もきめ細やかでとてもおいしい。シャンパーニュはまだまだ全然知らないのだがこれだけおいしいのなら入り込んで行ってもいいなと思わせる味。いままであんまりおいしいシャンパーニュを飲んでいなかったんだな、と実感。(satonao)

Clos de Vougeot1992/Meo-Camuzet(クロ・ド・ヴージョ/メオ・カミュゼ)
コート・ド・ニュイ最大の畑。瑞々しいフランボワーズの香りに軽く饐えた土臭さ、かさぶたのようなコクのある香り、きのこを焼いたような香りなどが混ざりあってなんともおいしかった。造り手により大きく変化する畑らしいが、メオ・カミュゼは最高級だということ。(satonao)

Chateau Pichon-Longueville1988/(シャトー・ピション・ロングビル)
いわゆるピション・バロン。まずは88年から。59年と遜色ないと言ってもいいくらいの出来。色や香りは全然若いが第1次ピークを迎えているようでバランスがとても良かった。深く土を掘ったときに出るゴボウ臭さとモカの香りがバランスよく溶け合って絶品でした。(satonao)

Chateau Pichon-Longueville1959/(シャトー・ピション・ロングビル)
抜栓してすぐは驚くほどの若々しさ。果実香が華やかに出て「これが59年?」と疑わせるほど。スパイシーな感じもあった。色は煉瓦に枯れている。抜栓1時間後。香りは落ち着いてきて下草の香りが前面に出てくる。88年よりタンニンは少なく、土臭さも乾いた感じに。まったく酸味は感じられない。幸せだった。多分もう1度ピークが来ると思われる。まだまだ長生きするワインである。(satonao)

Chateau Mouton-Rothschild1991/(シャトー・ムートン・ロートシルト)
アタックが強く酸味も強く余韻も長い。重厚でタンニンも強い。59年の控え目さを飲んだ後ではバランス悪くさえ感じた。とにかく主張が強い。若すぎるのだろう。この酸味が消えた後に飲みたいのだが、どのくらい待てばいいのだろう。(satonao)

3月16日(日)

Pouilly Fuisse1994/Georges Duboeuf(プイィ・フュイッセ/ジョルジュ・デュブッフ)
ワイン会でまず出していただいた白。「プイィ・フュイッセ」は大好きな白だし、ボージョレー専門の作り手とばかり思っていた「デュブッフ」のワインなので、どんなワインか興味津々で飲んだ。……う〜ん、わりとさっぱりとしているな…。程よい酸味と切れでスターターのワインとしては満足。(シャンパーニュもあったが私はあまり好まないので遠慮した。)でも、以前飲んだことのある「シャトー・フュイッセ」のものとはどこか違う印象。もう少しこのサッパリ感に香ばしさと甘さが強かったように記憶しているのだが・・・。記憶違いなのか、はたまた作り手やヴィンテージの違いで全然印象が違ってくるのか?このすぐ後に飲んだ「リュリー」のほうがコクがあって飲みごたえがあった。(yuko)

Chateau du Pez1989/(シャトー・ドゥ・ペ)
サン・テステフのワインは初めてと思いながら飲む。(ワイン会なので)いろんな種類のワインを飲んでいる中で「あ、これはおなじみの味だ」と妙に安堵して飲んでしまった。後から調べたが、カベルネ・ソーヴィニョンが主体となったワインだった。味も香りも柔らかく人間でいうならばおっとりとした感じがした。あとでのむ「ジュヴレイ・シャンベルタン」に比べてしまうとやや印象が弱いが、若い頃にはあっただろう酸味もとれてやわらかい草の匂いが気持ちに和んだ。(yuko)

Gevrey-Chanbertin1989/Serafin Pere&Fils(ジュヴレイ・シャンベルタン/セラファン)
このワイン会で出されたワインの中で(25種類くらい)、私が一番好きだったワイン。古木から作っているらしい。グラスに注ぐと香りは華やかで色も濃いルビー色。その前に飲んでいたボルドーの「シャトー・ドゥ・ペ」がなんて弱々しいワインだったのかしら…と飲む前から思えてしまうくらい、堂々たる存在感がある。飲むと腐った獣のような匂いというか味が口に広がるが、決して不快な感じではない。ボルドーの10年くらい経ったワインが時々湿ったような腐ったような草の感じがするのに対して、ブルゴーニュは動物的な腐敗臭がするのだろうか?でも葡萄が熟成をするとどうしてこんな風味を発揮するのかが不思議だ。(yuko)
Chambolle-Musigny1994/Antoine Chatelet(シャンボール・ミュジニィ)
上の3本は優子が独自に昼間のワイン会で飲んだ分。その夜、会社の後輩である遠山君、福子さんと僕で以下3本飲みました(優子も少し飲んだけど酔っ払っちゃってよく味を覚えていないそうです。そりゃそうだ)。まず1本目がこの赤。94年ではちょっと若いかな、と思ったがどうしてどうして華やかに饐えている。アタックは弱いのだが余韻が長い。作り立てのジャムに鼻を突っ込んだ感じ(なんだそりゃ)(satonao)

Auxey-Duresses1994/Antoine Chatelet(オーセイ・デュレス)
これは少し若かった。しっかりと柔らかい味が気持良いが全体に若くて面食らう感じだ。ブルゴーニュ発祥の地とまで言われるくらい古いボーヌの村の赤。もう5年くらいおいてもいいな。 (satonao)

Chateau Grand Tertre1990/(シャトー・グラン・テルトル)
これはうまかった。しっかりした腰付で余韻が長い。まだまだ若いのだがもう開花は始まっていてある意味で第1次ピークなのだと思う。酸味が消え美しいフランボワーズの香り。(satonao)

3月14日(金)

Moulin-a-Vent1995/Domaine de la Motte(ムーラン・ア・ヴァン/ラ・モット)
2月に飲んだブルイィと同じ作り手。お店のひとが「美味しかったですよ」と自信ありげに勧めてくださったので、どんな風に美味しいのか興味があって試してみた。最近ボルドーが続いたこともあって、「なんてピチピチして美味しいのかしら!!」と感動さえしてしまった。口の中に広がる複雑な渋みと甘みのまろやかなハーモニーはないが、舌を刺すような酸味はなく甘酸っぱいはじけるような春の味がした。ボルドーにはボルドーの、ボージョレーにはボージョレーのワインの良さがこの頃やっとわかってきた。ワインも自分の気分や体調、一緒に飲むメンバーなどによってチョイスできるほどの自分なりの世界観ができたら楽しいだろう。(yuko)

3月11日(火)

Chateau Ducru-Beaucaillou1992/(シャトー・デュクリュ・ボーカイユ)
有名なメドック第2級格付け。西麻布のワインバー「ツバキ」にて9000円。大変バランスがとれた赤で、フルーティな華やかさの中にも素朴さがあり、ヨーロッパの森のような苔臭さ、饐えた下草、土のついたゴボウ、などが香る。92年は飲み頃のようだ。大変おいしい。(satonao)

Chateau Troplong-Mondot1975/(シャトー・トロロン・モンドー)
サンテミリオンの赤。シャトー・パビィと同じ一族の経営になるシャトー。西麻布の「ツバキ」にて15000円。高いけど75年物だから仕方がないか。湿った粘土のような香り。まぁるいアタックで柔らかく豊潤。ただかなり酸味が強く不快だった。リーデルのソムリエシリーズのボルドーで飲んだのだが、グラスを小さいのに変えてしかもスワング(でしたっけ?グラスを回すこと)せず飲んだら酸味がかなり減った。やっぱりグラスによって味がものすごく変わることを再確認。でも基本的に20年以上の熟成に耐えるほどのワインではないのかもしれない。(satonao)

3月9日(日)

AC BOURGOGNE CHAMPERIER 1994 /PAUL PERNOT(ブルゴーニュ・ブラン/ポール・ペルノ)
「Afternoon Cheese Break」で出した2本のワインのうちの一本。このワインを紹介してくださった朋子さんが「ACブルゴーニュだけれど、ピュリニーモンラッシェと名前を付けて売っているワインにちっともひけをとらない、とてもいいワインよ。」と言っていただけあって、風格のあるしっかりとした白ワインだった。香りが葡萄の果実の匂いも残しつつ、樽の香りなのか何となく木の香のようなスパイスのような少しこうばしい(?)ような香りもした。作り手の「ポール・ペルノ」はこの地方屈指の作り手だそうだ。(yuko)

3月8日(土)

Chateau Marquis-de-Terme1988/(シャトー・マルキ・ド・テルム)
メドックの第4級格付けの赤。AOCはマルゴー。シャトーマルゴーのまん前のシャトーらしい。神戸のレストラン「ル・パッサージュ」にて9000円。抜栓直後からまろやかで柔らかい。頼り無いくらいな味わい。香りは深く掘った穴の中みたいな湿った土臭さ。ごぼうとクロスグリ。ヨード臭が少し。カベルネの香しさに少し欠けるかな、という印象。すっげー旨いというわけではないが安心して飲める。(satonao)
開けたてから最後まで土臭さがしていた。柔らかいのだがまろやかさや滑らかさには少し欠ける。おいしいのだがもう少し奥ゆきがあったらもっと感動できただろうに。(yuko)

3月6日(木)

Chateau Lagrange 1993/(シャトー・ラグランジュ)
「メルロー種主体のワイン」との飲みくらべの対抗馬として登場。93年はまだ飲むには若すぎるかなと思いつつ、他にボルドーのちょうど手ごろなもののストックがなかったので食事30分前に抜栓。グラスに注ぐときれいなルビー色で、香りもフレッシュで見るからに若々しい感じ。飲むとまず酸味が強く感じられ、まだ固い感じがした。もう少し古いものを飲んでみたい。(yuko)
ちょっと若すぎたねぇ。なんだかいたいけな少女をいたぶっているような悲惨さがあった。フルーティではあったけどコクがなく酸味とタンニンが口の中で暴れました。(satonao)

Chateau Nenin 1985 /(シャトー・ネナン)
「メルロー主体のワインを飲んでみよう」ということで、さとなおが会社帰りに阪急百貨店で買ってきた。ポムロール地区のワインは初めて。ヴィンテージのせいか食事の30分前に抜栓したにもかかわらず、グラスに注いでも香りが立たない。回すとようやく柔らかい湿った藁のような香りがした。果物のとんがった酸味は全く感じられず、むしろ土っぽく丸く角のとれた優しい味がした。同時に飲んだ「シャトー・ラグランジュ93」は、舌にできた口内炎に酸味がしみて痛くて飲めなかったが、このワインは大丈夫だった。(yuko)
僕個人はポムロールは4回目くらい。高いワインが多いのであまり買わない。結婚記念日(及び長女の誕生日)ゆえまぁ7000円でもいいか、って感じで買ったけど実はメルロー50%のシャトーなんですね。残念。香りの印象は土蔵の奥の湿った畳って感じ。味はまろやかだがめりはりに欠けるな。色は煉瓦色になってきていてきれいだった。メルローらしさがイマイチわからなかったけどこの「饐え方」は好き。(satonao)

3月2日(日)

Chateau Lamothe Bergeron 1986/(シャトー・ラモット・ベルジュロン)
ブルジョア級だが86年なのできっとスゴク良い感じになっているか、保存状況などが悪くてダメになっているか心配しながら栓を抜いた。(確か思いのほか安く手に入れたので)食事の30分前に抜栓。コルクには熟成したワイン独特のまあるい香りが。グラスに注ぐと煉瓦色で、まわして香りを立たせるとえも言われぬ優しいデリケートな香りが。上品であまり主張のないおとなしいワインだったが、うちで作るおかずにはちょうどいいかげんだった。(yuko)
色(ローブっていうの?)がとてもきれい。味は柔らかい。全く主張をしない無色透明さ。国際会議での日本人のようだ。裏庭のような土の香りが少々。もう少し日向っぽくてもいいな、こういう主張のなさなら。 (satonao)


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