産地 | フランス、ブルゴーニュ地方 |
原料 | 牛乳 |
乳脂肪分 | 50% |
形状 | 直径8〜9B、高さ3〜4B、重さ約200g |
タイプ | ウオッシュタイプ |
季節 | 1年中 |
プロフィール | ワインの銘醸地であるブルゴーニュ地方ならではのウオッシュタイプのチーズ。 同郷のAOCチーズである「エポワス」も地元のワインの絞りかすで造った地酒(マール)で洗いながら熟成させるチーズだが、アフィネ・オ・シャブリは名前の通り特に有名な白ワインであるシャブリを造ったあとのぶどうの絞りかすから造った地酒で洗って仕上げるチーズ。 エポワスよりは一回り小ぶりであるが、表面は湿ってベトベト、ヌラヌラしたオレンジ色で、匂いも相当強い。チーズの中身は最初は白くきめの細かいやや酸味のある状態であるが、時間が経つとまわりからアイボリー色に変化し、熟成とともに柔らかく溶けてくるようになる。 完熟のものはナイフで切り分けることができないので、スプーンで取り分けることに。そのころになると味は塩分も際立ちかなり強くなってくる。 |
食べた感想 | 一般的にウオッシュタイプには赤ワインが合う、と言われています。特にブルゴーニュ地方のウオッシュチーズにはピノノアールのブルゴーニュワインと合わせないと!と私も思っています。状態の良いエポワスを食べるなら、ニュイの腰の強〜いちょっと高めの赤ワインと合わせたいものです。その組み合わせはチーズもワインもちょっと値がはるのでなかなか実現できないのですが。 私がもっとも美味しいと思っているエポワスのメーカーで「ベルトー社」という会社があります。(97年にその工場を訪ねた時のコラムがあります) その会社が作っているちょっと小さめのウオッシュチーズがアフィネ・オ・シャブリ。250gのエポワスに比べ、こちらは200gと少し小さいのでやや買い求めやすい価格だし、6人程度人が集まればちょうどいい加減な量です。 何度か今までも食べたことはあったし、いつも安定して美味しいなぁと思えるチーズでした。ただ気になっていたのが「シャブリ」という名前。シャブリを造ったぶどうの絞りかすのマールでウオッシュしているからこの名前が付いたのですが、じゃぁ、このチーズを食べるときにシャブリに合わせたら美味しいのか?マリアージュするのか?ということがいつも気になっていました。 シャブリと言えばブルゴーニュ地方の代表的な白ワインで、キリッと辛口、ミネラル香やレモンのような酸味が特徴のすっきりドライな白ワイン。そのワインと芳醇なアフィネ・オ・シャブリが相容れるような間柄なのか?そのうち試してみたい・・・と密かに熱望していました。 ついにそれを試してみるチャンスが。今回のアフィネ・オ・シャブリは表面は艶々でハリのあるオレンジ色。表皮の下のチーズはもうすっかり芯がなく、トロトロに熟成していました。食べると程良く強い塩分と、ミルクの甘みを残しつつ十分に熟れて味に奥行きと複雑さを与えていながら、まるで苦みや雑味がない素晴らしい熟成状態。一緒に食べた友人は「こんなウオッシュ初めて〜!」と歓声を上げてしまうほど。 まずは89年ビンテージ(14年前のワイン)のブルゴーニュの赤ワインと。14年前のワインとしてはまだ十分に若々しさや力強さを残していたので、チーズには十分太刀打ちできました。最高の状態のチーズでしたが、ワインの複雑さを少し損なってしまうかな、という印象を持ちました。悪くない組み合わせですが、特にお互いを高め合わない、それ以上の感動を与えない、そんなマリアージュでした。 さて次に2000年ビンテージのシャブリと合わせてみます。ワインはシャブリの特徴がストレートにでているキレのある辛口のワインでした。それをチーズとともにいただくと、なんとワインが化けるのです。ワインだけ飲んでいると辛口という印象が強かったのですが、チーズを食べることによってワインのフルーティーな甘さやボディーの豊かさがぐっと広がるのです。チーズも強い塩気がワインで洗われるのか、ミルクの甘みやチーズの複雑さがふわっと口中に広がり、ますますおいしさが際立ちます。これぞマリアージュ、という組み合わせを見つけた気がしました。 シャブリのマールで洗っているから調和したのか、それとも白ワイン本来の底力がなせる技なのか。白ワインとウオッシュ、これはちょっと面白いかもしれません。 |
合うワイン | 是非シャブリと。もしくはブルゴーニュ産の赤ワインなら申し分ないでしょう。ブルゴーニュ産でなくてもフルボディーの赤ワインと。 |
合うパン | パン・ド・カンパーニュ、パン・オ・セイグル、クルミ入りのパンなどと。 |
アフィネ・オ・シャブリのエチケット。真ん中にブドウの栽培風景の絵が。